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「DSC-RX100」第2回――海外旅行のサブカメラとして使いこなす長期試用リポート(1/2 ページ)

写真を高画質で撮りたい、でも小さなデジカメがいい……そんなぜいたくな要望に応えられるカメラが、ソニーの“サイバーショット”DSC-RX100」だ。特に旅行先に持っていくと、これほどいいカメラはない。

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気軽に高画質写真を旅先で撮る

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 旅行はシャッターチャンスの多くなるイベントだ。普段は見られない景色、いつもと違う食事、楽しい交流……そんなイベントには、やはりカメラを持っていきたい。できれば高画質で、と考えると、持っていくべきカメラはデジタル一眼レフ、またはミラーレスカメラになる。画質はいいし、レンズ交換できるので、さまざまな局面に対応できる。

 とはいえ、旅行荷物として考えると、デジタル一眼レフやミラーレスは大きいし、レンズ交換を考えて複数レンズを持ち歩くと、それだけ荷物が大きくなる。ここぞというシーンでだけ撮影するならともかく、旅先を歩きながら、ふとした瞬間に撮影したいというときに、カメラを取り出すのが面倒、というのでは意味がない。

 そういうときに便利なのがコンパクトデジカメ。しかし、コンパクトデジカメの弱点が画質だ。レンズ交換式に比べて一般に撮像素子のサイズが小さく、レンズの高画質化にも限界がある。

 そんなコンパクトデジカメの弱点を補えるとにらみ、1カ月の海外滞在期間に利用するサブカメラとして導入したのが、ソニーの「DSC-RX100」だ。今回の旅先、ドイツでは、ベルトバッグにRX100を入れて常に持ち歩き、必要に応じて、ミラーレスカメラのオリンパス「OM-D」を首から下げるというスタイルとした。

 OM-Dには広角ズームの「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4-5.6(35ミリ換算18〜36ミリ相当)や単焦点レンズの「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」(同90ミリ)を装着し、それでは撮影できない範囲をRX100に任せるというサブカメラとして活用。OM-Dをバッグから出しづらいシーンなどではメインカメラとしても使った。

 また、メモリカードとしてFlashAirを使い、撮影後にスマートフォンに転送してSNSに投稿する、という使い方をした。FlashAirはスマートフォン側から無線LAN設定を切り替えないとカードに保存された内容を参照できないが、それは少々手間に思えたので、スマートフォンにAndroid端末を用意し、起動時にFlashAirのAPに接続してくれるAndroidアプリ「Airshow」(Tetsuya Aoyama氏作)を利用した。

快適に高画質撮影

 というわけで、ドイツである。普通、旅行は「撮影のため」に行くものではないため、撮影するときにアレコレと設定を変えたり、何枚も撮り比べたりというのはなかなかできない。そのため、基本的にはフルオートできれいに撮れる方がいい。そうでなければ、操作が簡単な方がいい。

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ドイツといえばこうした古い町並みがいろいろな都市にあり、見て回るだけで楽しい。ニュルンベルク城からの眺め(撮影はOM-D、Lightroomでストレート現像)

 その点、RX100は操作性は普通のコンパクトデジカメ。確かにボタンやダイヤルが多く、レンズ周りのコントロールリングもあるが、普通の「おまかせオート」に加えて連写合成まで必要に応じて行ってくれる「プレミアムおまかせオート」もあるので、あまり難しいことを考えずに撮影できる。

 実際、撮影してみると、その仕上がりは良好。たいていのシーンで問題のない撮影結果になるし、プレミアムおまかせオートなら、自動的にHDR機能も使ってくれるので、逆光や明暗差の激しいシーンでも、失敗写真が少ない。しかも、ホワイト画素を使った「WhiteMagic」技術を導入した背面液晶は、122.9万画素と高精細で明るく、屋外でも見やすいので、撮影時や再生時に画面の確認がしやすいのもいい。

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細部まできっちりと描写されており、破綻が少ない
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みずみずしい野菜やフルーツの質感もきちんと再現されている

 動作は全般的に軽快。カメラを取り出して電源オン、シャッターを切るまで、ストレスなく利用できる。ズーミングの速度はややゆっくりだが、問題になるほどではなさそう。AFやレリーズのスピードも十分実用的だ。

photophoto サッと取り出してすぐに撮影できる。ベルリンの壁を上ろうとする男性を撮影(写真=左)、取材で歩いていた会場で急にファッションショー(?)に出会ったのでとっさに撮影。IFA 2012で(写真=右)

 難点は近接撮影。ワイド端でレンズ前5センチというのも物足りないが、ちょっとでもズームすると、途端にピントが合わなくなる。旅行先では食事を撮る機会も増えるが、実質的にはワイド端で撮影するしか状況になることが多かった。

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ワイド端での撮影になるので、周りの風景を入れて撮影するといい。ただ、オートだと比較的開放気味に撮影しようとする
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暗いシーンでオート撮影すると、シャッタースピードを稼ぐために開放付近での撮影になり、全体が分かりにくい写真となりがち

 プレミアムおまかせオートは、明るくても絞りはF5.6ぐらいまでにとどめて撮影されるようで、近接撮影だと、センサーの大きさも手伝って、意図しないシーンでもボケてしまうことも度々。この辺りは使い方の工夫が必要だった。

photophoto 背景を積極的にボカしたい場合には好都合

 プレミアムおまかせオートではHDR撮影もしてくれるので、天気のいいときに建造物を撮影する、といったようなシーンで役に立つ。しかし、風景撮影でもあまり絞りを絞り込まない点は残念で、HDR撮影後に画像合成の時間が必要という点も、急に連写したくなったときに困る。また、バッテリ消費も大きくなる印象なので、基本的にはプレミアムおまかせオートで撮影しつつも、必要に応じて設定を変更しながら撮影した方が良さそうだった。

photophotophoto オートHDR、D-レンジオプティマイザー、通常の3枚の比較
photophoto オートHDRで撮影すると、白トビしていた青空が戻ってきた
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