「DSC-RX100」第2回――海外旅行のサブカメラとして使いこなす:長期試用リポート(2/2 ページ)
写真を高画質で撮りたい、でも小さなデジカメがいい……そんなぜいたくな要望に応えられるカメラが、ソニーの“サイバーショット”DSC-RX100」だ。特に旅行先に持っていくと、これほどいいカメラはない。
マルチショットNRの使いどころ
RX100は夜景にも強い。プレミアムおまかせオートは、夜景を認識すると、連写合成でノイズや手ブレを低減してくれる。強力な手ブレ補正とあわせると、夜景や暗い室内での撮影でもヒット率が良くなる。絞り開放付近だと甘さも感じるが、ブレとノイズの少ない撮影が可能なのはありがたい。
ただ、オートでのISO感度はひと思いにもう少し上げてくれても良かった。2000万画素オーバーのセンサーを搭載しているので、等倍で見ると多少のブレでも目立つから。状況次第だが、ワイド端で1/8秒付近で撮影しようとするので、ISO3200までは一気に上がってくれてもいいと思った。
手ブレ補正に関しては、5軸手ブレ補正を搭載したOM-Dの方が性能はよく、1/5秒でもまずブレない。ボディの小ささを考えれば、RX100の方がブレやすいのは当然なので、やはりISO感度を積極的に上げて欲しかった。1インチセンサーを搭載したメリットの1つにノイズ耐性があるし、RAWでの撮影も可能なので、やはりISO感度は積極的に上げていいと思う。
実際に撮影結果を見てみると、だいたい1/30秒ぐらいでヒット率は急激に上がるようだった。じっくり1カ所で何枚も撮影したり、三脚を持って撮影したりといったことができず、移動の多い旅行では、1枚に掛けられる時間も少ない。そういう場合、ノイズよりも手ブレを優先して防ぐようにしたい。
そういう意味では、RX100の「マルチショットNR」機能はいい。オートモードでは使えないが、P/A/S/MモードでISO感度の設定から選択できる。高感度で撮影し、連写合成によってノイズを低減する仕組みで、最大でISO25600まで選択できる。
画像合成を使うため、そのままで使う場合よりもノイズは減る。シーンにもよるが、細かい描写まで気にするならISO6400まで使える印象だった。それ以上になるとディテールが失われるものの、手ブレを嫌う場合は選択してもいいだろう。Aモードで絞って、マルチショットNRでシャッタースピードを稼ぐ、という使い方もよかった。
高級コンパクトをサブカメラとして使う、オートを基本に撮影する、というのはもったいない使い方とも思えるが、一眼レフのサブカメラとして使うことを考えるならばRX100は有力な選択肢になるし、RX100はそういう使い方に適している。必要なら、モードダイヤルを回して必要な設定ができるのもメリットで、今回のドイツでも、気軽に使う使い方は、旅行にはよくマッチしていると感じた。
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