“2013年型 DXフォーマット機”として進化したミドルクラス――ニコン「D7100」(3/5 ページ)
名機と知られる「D7000」の後継、「D7100」は長所をもれなく継承し、ローパスレスや2410万画素センサー、クロップモードと個性も加味した。ミドルレンジのデジタル一眼レフとしては満足の進化といえよう。
サイズや基本デザインはD7000の進化形って感じで、撮影モードダイヤルにロックボタンがついたり、動画ボタンの位置が変更されたり、ライブビューのオンオフがレバーからボタンに変更されたり、「i」ボタンが新設されたりしたものの、SDカード2枚差しや100%のファインダーといった基本は同じ。全体の凹凸も重量感もほどほどで構えやすい。
ただ両方を持ち比べてみるとD7100の方が少しだけ大ぶりに感じる。確かに寸法を見ると、幅が3.5ミリ、高さが1.5ミリ、それぞれ大きくなってるのだ。ほんのちょっとの差だけどね。でも重量は15グラム軽くなって675グラム。これはありがたい。バッテリは同じなのでD7000からの買い換えでも問題ない。
で、ここで一足先(2010年秋)に登場したミドルレンジのフルサイズ機D600も登場願おう。これがD7100とそっくりなのである。
D600の方がフルサイズな分だけ若干ながら大きく、また、少しシルエットが違うけれども基本デザインは同じなのだ。 D7000→D600→D7100という流れで捉えると、ミドルレンジ3兄弟って感じである。
D7000の良さであったミドルレンジならではの操作性の良さも、そのまま継承されている。電源スイッチがシャッターボタン周りにあって構えた状態でオンにできるのは感覚的でよいし、上面の情報表示パネルも便利だし、前後のダイヤルを上手に使えて操作性が高い。
例えば絞り優先AE時、前ダイヤルで絞りを変え、シャッターボタンの手前にある露出補正ボタンを押しながらダイヤルを回すと露出補正ができる。で、開いた後ろダイヤルをISO感度に割り当ててやるとグリップしたまま必要最低限の調整ができて便利なのだ。
AFモードも側面のAF/MF切り替えスイッチのところにあるボタンを押しながら、前ダイヤルで測拠点、後ダイヤルでAFモードの切り替えができるのも慣れてしまうとすごく便利。ホワイトバランスやISO感度、測光パターンなど基本的なものはボタン+ダイヤル。細かいところは「MENU」から行う。新たに搭載された「i」ボタン(「info」ボタンも別にあるのでちょっと紛らわしいけど)を押すとinfo画面の下にある10個の項目にすぐアクセスできる。
D7000からの変更点は、撮影モードダイヤルにロックボタンが付き、ボタンを押しながら回すようになったことと、ライブビュー関連。ライブビューのオンオフがレバーからボタンになり、動画ボタンが上面に移動して押しやすくなったこと。
背面液晶は新しくRGBW配列の3.2型パネルを採用。ちょっと大きく見やすくなった。撮影機能では、スペシャルエフェクトモードとHDRの追加。スペシャルエフェクトモードにはハイキーやローキー、ミニチュア効果、ナイトビジョン(超高感度で撮るモノクロ写真)など7種類が用意されている。
といったところだ。
D7000のいいところを継承しつつ、中味を2013年型に清く正しく正常進化させ、さらに51点AFや2400万画素+ローパスフィルターレス&1.3xクロップモードと個性を追加したのがD7100。ミドルレンジのデジタル一眼レフとしていい感じに進化してくれた。
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