より軽く小さいレンズ交換式「X」 富士フイルム「FUJIFILM X-M1」
富士フイルムがFUJIFILM Xシリーズのレンズ交換式デジカメの新製品「FUJIFILM X-M1」を発売する。「X-Trans CMOS」はそのままに小型化を進め、WiFiも搭載した。
富士フイルムは6月25日、FUJIFILM Xシリーズのレンズ交換式デジタルカメラの新製品「FUJIFILM X-M1」を7月27日より順次販売開始すると発表した。交換レンズ「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS」とのレンズキット、「XF27mm F2.8」も組み合わせたダブルレンズキット、交換レンズ「XF27mm F2.8」単体が先行して販売開始され、ボディのみおよび交換レンズ「XC16-50mmF3.5-5.6」の単体は9月より販売される。
価格はいずれもオープンで、実売想定価格はレンズキットが8万5000円前後、ダブルレンズキットが10万円前後。交換レンズ「XF27mm F2.8」が4万5000円前後、「XC16-50mmF3.5-5.6」が4万円前後、ボディのみが7万5000円前後。カラーはブラック、シルバー、ブラウンの3つが用意され、ブラウンは9月よりの販売開始となる。
新製品は既に販売されている「FUJIFILM X-Pro1」「FUJIFILM X-E1」と同様のAPS-Cサイズ(23.6×15.6ミリ) ローパスレスの有効1630万画素 撮像素子「X-Trans CMOS」センサーと最新の画像処理エンジン「EXRプロセッサーII」を搭載しながら、ビューファインダーを省くことなどで本体重量約330グラム(バッテリー、メモリカード含む)という小型軽量化を実現したモデル。
X-Trans CMOSは「X-Pro1」「X-E1」とまったく同じで、ここに最新の画像処理エンジンを組み合わせることで起動時間約0.5秒、シャッタータイムラグ約0.05秒、撮影間隔約0.7秒、最高5.6コマ/秒(連続30コマ)の高速動作を実現している。常用ISO感度はISO200〜ISO6400で、感度拡張によってISO25600まで設定できる。
ファインダーはOVF/EVFいずれも搭載しないが、ファインダーのかわりとなる背面液晶は上下に動くチルト式となり、3型/約92万画素とサイズ/画素数ともにX-E1(2.8型/約46万画素)を上回った。内蔵ストロボはガイドナンバー7相当だ。
操作系は撮影モードダイヤルが用意されるなど「FUJIFILM X20」に近い形態を採用しており、顔検出も備えたフルオート撮影モードである「アドバンストSRオート」もモードダイヤル上に用意されている。電子ダイヤル(コマンドダイヤル)は上面と背面の2つが用意されている。
レンズ交換式のFUJIFILM Xシリーズとしては初めて、デジタルフィルター「アドバンストドフィルター」とWiFiも備える。アドバンストフィルターはトイカメラ、ミニチュア、ダイナミックトーン、ポップカラー、ソフトフォーカス、ハイキー、ローキー、パートカラーの8種類。5種類のフィルムシミュレーションも用意されている。
WiFiは専用アプリとの組み合わせによって、撮影画像をスマートフォンやタブレットに転送できるほか、パソコンへのバックアップも行える。スマートフォン/タブレットへの転送については、スマートフォン/タブレットからの操作でも転送を行える。本体サイズは116.9(幅)×66.5(高さ)×39(奥行き 最薄部32.1)ミリ。
新たに用意されたキットレンズ「XC16-50mmF3.5-5.6 OIS」はX-M1にあわせて開発された標準ズームレンズで、装着時の焦点距離は35ミリ換算24〜76ミリ相当。レンズ構成は非球面レンズ3枚とEDレンズ1枚を含む10群12枚構成。
X-E1のキットレンズ「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」に比べると絞りリングを非搭載としたこともありより小型軽量となっているが、光学式手ブレ補正は引き続き搭載されており、また、フォーカスレンズの軽量化とモーターの精度を高めることで高速なAFを実現しているという。サイズは62.6(最大径)×65.2(長さ)ミリ、約195グラム。
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