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レビュー:EVFを搭載した熟成のハイエンドコンパクト ニコン「COOLPIX P7800」(1/3 ページ)

ニコン「COOLPIX P7800」は、EVFの搭載でより利便性を高めた高級コンパクト。28〜200ミリ相当 F2-F4の明るいレンズも既存モデルに引き継ぎ搭載しており、さまざまなシーンで活躍できる。

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EVFを搭載、ボタンレイアウトも変更された新ボディ

 ニコンより登場した高級コンパクト「COOLPIX P7800」は、P7xxxシリーズ待望のEVF搭載となったことが進化ポイントだ。これまで同シリーズに光学式ファインダーを搭載したモデルは登場していたが、視差なしで実像が確認できるEVFの搭載は素直に喜びたい。

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「COOLPIX P7800」

 EVFの搭載によって、ファインダーを搭載していなかった既存モデル「COOLPIX P7700」より一回りボディが大きく重くなり、P7700の左肩に搭載されていた、ISO感度やホワイトバランスなど利用頻度の高い設定を呼び出せる「クイックメニューダイヤル」は廃止された。

 この機能は背面「クイックメニューボタン」に引き継がれ、ISO感度やWBはこのボタンを押した後にロータリーマルチセレクターで行う。ダイレクトに選択できるダイヤルはなくなったものの、背面の液晶モニターで確認しながら行う操作なので、すべて背面に配置したこと自体は理に適っていると言える。

photophoto EVF(92万画素)視野率はもちろん100%(写真=左)、EVFの搭載によりクイックメニューダイヤルが廃止された(写真=右)
photophoto クイックメニューボタンはEVF/液晶モニター切り替えボタンの右にレイアウトされている。画像サイズ、ISO感度、WB、ブラケットなどの設定を呼び出せる

バリアングル液晶もアップデート

 EVFの搭載に目がいきがちであるが、92万画素/3型のバリアングル液晶モニターも明るいRGBW方式に変更された。屋外でも見やすく、(幸か不幸か)EVFなしでも快適に撮影できるシーンが多かった。バリアングル液晶の自由度が活かされる良いアップデートといえよう。

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バリアングル液晶モニター

 背面液晶が見やすくなったとはいえ、35ミリ換算200ミリ相当までズームできる望遠撮影を活用するには、EVFによる安定したホールディングも重要となる。EVFは視野率100%だが、見え方はやや白くハイキーな印象。フレームレートもあまり高くないように感じる。しかし、しっかりとカメラをホールディングでき、被写体へ集中できるファインダー搭載のメリットは大きいと実感した。

 レンズは35ミリ換算 28〜200ミリ相当 F2-F4と明るく、ここに1/1.7型 有効1219万画素 裏面照射型CMOSセンサーと画像処理システム「EXPEED C2」を組み合わせる構成は既存P7700と同様であり、画質面では同様と言っていいだろう。

 高倍率の代償としてか、このレンズは広角端で樽型のわん曲が見られる。ただ、メニューの「ゆがみ補正」で撮影前に補正を掛けることが可能で、別売りの画像編集ソフト「Capture NX2」でも同様の補正をかけることができる。こちらはRAWデータであるNRWファイルだけではなく、JPEGファイルも同様に処理できる。

photophoto 左がゆがみ補正オフ、右が補正オン。メニューの「ゆがみ補正」は出荷時OFFとなっている
photophoto 左が補正オフ、右が画像編集ソフト「Capture NX2」での補正

 前述のようにRAW(NRW)形式での撮影が可能だが、書き込み速度の遅いSDカードを使用すると、次の撮影までに操作を受け付けない時間が発生する。NRWファイルとJPEG FINE同時書き込み設定しているとさらに顕著に表れる。

 これは前機種でも同様であっただけに今後は書き込み用のバッファの増加を期待したい。できるだけ書き込み速度の速いSDカードを使うことで、この待ち時間を短くできる。JPEG撮影がメインであれば気にならない点だが、コンパクトデジタルカメラのフラグシップとして、撮影時の快適さや余裕という点についてもっとがんばって欲しい。

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