圧倒的な精細感と心地よい操作感を両立――「D810」インプレッション(後編)(2/2 ページ)
ニコンの「D810」は、主にプロや写真愛好家層をターゲットにしたフルサイズ一眼レフだ。画質だけでなく、使い勝手の面も既存モデル「D800/D800E」から大きく進化している。
グリップ感が向上したマグネシウム合金ボディ
ボディは、既存モデルD800/D800Eの基本デザインを継承する。防塵・防滴に対応した堅牢なマグネシウム合金ボディだ。グリップの形状は変化したが、外形寸法は変わらず幅146×高さ123×奥行き81.5ミリとなる。重量は約20グラム軽くなり、約980グラムとなった。
ファインダーには、視野率100%のガラス製ペンタプリズムを搭載。コーティングの改良によって従来よりも透過率が向上したほか、ファインダー内の情報表示に有機ELを採用することで視認性と低温時の応答速度を高めている。一方、背面液晶ディスプレイには従来よりも精細化した3.2型約122.9万ドットのパネルを搭載する。発色や明るさ、視野角は十分で、視認性は良好だ。
トータルとしては、あらゆる部分が進化した堅実なモデルチェンジといっていい。特に、既存モデルD800/D800Eで気になっていたミラーショックやシャッターショックが改善されたことは、使い勝手を高めるうれしい進化だ。
個人的な要望を挙げるとすれば、このクラスの製品にも可動式モニターを採用して欲しいこと。ユーザーによって用途や使い方が異なるため、可動モニターが邪魔に感じる場合もあるので、実現は難しいかもしれない。だが、カメラを三脚にセットして風景や商品を撮る際は、ライブビューの拡大表示を見ながら正確にピントを合わせて撮ることが多く、可動モニターは非常に役立つと思っている。
D810は、高精細な描写性能を生かして風景や建築物、静物、ポートレートなどをディテールまでくっきりと表現するのに最適なカメラだ。豊富にラインアップされたニコンFマウントレンズを使って、各レンズならではの写りを味わうのもいいだろう。
関連記事
- ニコン史上最高の画質をチェックする――「D810」インプレッション(前編)
ニコン「D810」は、ローパスレスの有効3635万画素フルサイズセンサーを備えた一眼レフだ。既存モデル「D800/D800E」から何が変わったのか。その画質と機能、操作性をチェックしよう。 - 写真で見る、ニコン「D810」
同社デジタル一眼レフとして初めてベース感度ISO64を実現した、ニコンのフルサイズ機「D810」を写真で紹介する。 - ベース感度ISO 64を実現、3635万画素ローパスレス仕様フルサイズ「D810」
ニコンがフルサイズ機「D810」を発売する。新開発のローパスレス 有効3635万画素フルサイズセンサーを搭載し、同社デジタル一眼レフとして初めてベース感度ISO64を実現した。 - 有効3630万画素のフルサイズ機――ニコン「D800」インプレッション
フルサイズの有効3630万画素センサーを搭載したデジタル一眼レフ、ニコン「D800」が登場した。従来モデルから何が変わったのか。進化のポイントを中心にインプレッションをお伝えしよう。 - ニコン、カメラグランプリ三冠受賞を記念してフォトコンテストを開催
カメラグランプリ2014でニコンの製品が3部門で受賞した。ニコンはこれを記念して、フォトコンテストを開催する。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.