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フリースタイルEXILIM「EX-FR10」で本格的に遊ぶどこからでも撮れる楽しさ(1/3 ページ)

構えてシャッターを切る、というスタイルから人々を解放する、新しいスタイルの“フリースタイルカメラ”EXILIM EX-FR10はどこまで自由に遊べるか。いろいろな場所に持ち出して遊んでみた。

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EX-FR10

 やはりカシオはカメラメーカーでなく、カシオだった。

 というわけで、カメラメーカーがこぞってハイエンド機やレンズ交換式カメラに活路を見出す中、カシオは決してそっちには流れないのである。

 往年の名機、カシオのQV-10からデジカメをはじめたものとしては、カシオに期待するのは新しいスタイルだ。QV-10が素晴らしかった点は、2つ。1つ目はカメラ部が回転したこと。もう1つは液晶モニタを搭載したこと(世界初。というか液晶モニターの使い道の1つとしてカメラを付けてみた、というのが正解)。

EX-FR10
モニタ+回転式レンズがあまりに斬新だったQV-10。これがあってこそデジカメ市場が立ち上がったのだ。私物なのでかなりボロボロです

 1つ目はカメラは目の高さに構えなきゃいけないという呪縛から解放し、2つ目は撮った写真をその場で見せて楽しむという遊び方が発見されたこと。2つ目なんかiPhoneの原型といっていいくらい。

 で、長々と昔話なんてしたのは、今度のEXILIM EX-FR10(以下FR10)がQV10以来のユニークさを持っているからだ。カメラ部と本体をワイヤレスにしちゃったのである。本格的な「遊ぶカメラ」の登場だ。

カメラ部とコントローラ部はBluetoothで接続

 FR10の構造を簡単に説明するとこうだ。下の写真がFR10の全景。基本、カメラはモニタ側を向いてる。そのままスイッチを入れて撮ると自分撮りになる。これが面白いところ。

EX-FR10
これが普段の状態

 普通のカメラとして、つまりモニターを見ながら反対側を撮りたいときは、カメラ部を180度回転させる。するとこうなる。

EX-FR10
こうするとモニタを見ながら普通のデジカメのように撮れる

 伸ばしたところを横から見ると、ちょっと分かりづらいけど、側面にボタンが1つある。ここにRELEASE(リリース)とある。

EX-FR10
コントローラー側面にリリースボタンがある

 リリースボタンを外してカメラ部を引き抜くと、

EX-FR10
鞘から刀を抜くように(というのは大げさすぎますが)、すっと抜けるのが楽しい

 こんな風にカメラ部とコントローラーが分離するのだ。

EX-FR10
カメラ部とコントローラーが離れた姿が本来のFR10だ

 脱着の構造が実に単純なのがいい。鉄板1枚。この板はヒンジが付いていて回転するので、こんな風に好きな角度で自立する。

EX-FR10
ヒンジを曲げれば角度をつけて自由に置ける。ヒンジの穴は三脚に付けるときに重宝する

 で、分離したカメラ部とコントローラー部の関係はどうなっているか。カメラ部はソニーのQXシリーズ(要するに、レンズだけカメラ)と似た感じ。この中にレンズとイメージセンサーのみならず、カメラすべてが入っている。レンズもセンサーも画像処理回路もバッテリーもメディアもだ。

 そしてコントローラー部とはBluetoothでつながっている。バージョンはBluetooth 2.1 + EDR。EDRを使った高速転送で映像を送っている。そこがWi-Fiを使ったカメラと違うところ。

 Wi-Fiだとどうしてもつながるのに時間と手間がかかるが、FR10はあらかじめカメラ部とコントローラー部がペアリングされた状態で出荷されるので、特に何もせずすぐつながるのがいい。

 しかも、一度つなげば、電源を切ってもスタンバイ状態になってBluetoothはずっとつながりつづけるので、コントローラーのボタンを押せばすぐ復帰するのだ。

 この手軽さが大事。

 Bluetoothなので、つなぎっぱなしにしててもそれほどバッテリーは喰わない。そこがWi-Fiに対して優位な点だ。

 レンズは35ミリ換算で21ミリ相当の広角単焦点でF2.8。イメージセンサーは1/2.3型の1400万画素。自分撮りカメラとして東アジアで人気のTRシリーズと同等のスペックと思えばいいだろう。光学式手ブレ補正はなく、AFは搭載しているがAFポイントはカメラ任せとなる。動画はフルHDで30fpsが可能だ。

 フリースタイルで撮るためのカメラなので操作系や機能は簡素。カメラ部には電源・静止画用シャッター・動画用録画ボタンの3つがあるだけ。

EX-FR10
カメラ部とコントローラーのそれぞれにシャッターと動画ボタン、電源スイッチがある。基本はこれだけだ

 コントローラーは電源・静止画用シャッターに加えて、タッチパネルを搭載した2インチのモニターがあり、タッチ操作である程度細かい指定ができる。

EX-FR10
撮影時の画面。左上のホームをタップすると細かい設定ができる
EX-FR10
DISPボタンをタップするとAFエリアや各種設定が表示されるが、2インチモニタなのでこうするとゴチャッとして見づらい

 とはいえ撮影モードはプレミアムオートと、トイカメラモードなどデジタルフィルターをかけたアートショットのみ。

 プレミアムオート時に露出補正やメイクアップ(美肌にしたり風景を鮮やかにしたり)のオン/オフなどは可能だが、ISO感度も絞り値もオートのみ。露出補正の操作もメニューを介する必要があっていささか面倒くさく、事実上「オートのまま気軽に撮りましょう」ってカメラだ。

EX-FR10
撮影モードはプレミアムオート+デジタルフィルターのみとシンプル
EX-FR10
鏡像表示、インターバルタイマーといった機能も持っている

EX-FR10EX-FR10 撮影メニュー。メイクアップとタッチシャッター、EVシフト(露出補正)、ホワイトバランスくらいだ

 撮影はカメラ部、コントローラーどちらかのシャッターボタン、あるいはタッチパネルを利用し、画面をタップするだけでも撮れる。

 例えばこんな風に持って、親指で画面をタップして撮るという方法もある。いろんな撮り方をしてみたが、個人的にはこのスタイルが気に入った。

EX-FR10
こんな風にヒンジを折り曲げてコントローラー部を持って撮るのが楽だった

 バッテリーは内蔵している。見て分かるとおり、カメラ部とコントローラー部の両方にバッテリーが入っているわけで、充電時はどうするかというと、こうである。

EX-FR10
充電時は今のところこうなります……

 残念ながらそれぞれのMicro USB端子を使って充電する必要がある。普通のUSB充電なので、2つ以上の口を持ったUSB出力のACアダプタを持っている人はまあそれを使いましょうという感じだ。

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