さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。六本木フジフイルムスクエアで、5月1日から開催される写真歴史博物館 企画写真展「知られざる日本芸術写真のパイオニア 塩谷定好作品展」を案内する。
フジフイルムスクエア写真歴史博物館では、日本の芸術写真の礎を築いた写真家でありながら、国内ではあまり知られることのなかった塩谷定好(しおたに ていこう)の作品展を開催いたします。
鳥取県の裕福な廻船問屋に生まれた塩谷定好は、大正から昭和初期に絶頂期を迎えた日本の芸術写真の代表的写真家です。絵画的な写真表現を目指した彼の芸術写真は、海外のピクトリアリズムの影響を受けながら、日本独自の発展を遂げました。特に故郷・山陰地方の風景を、ベス単と呼ばれるカメラを使用し「ベス単のフードはずし」という独特のソフトフォーカスでとらえ、その美しいイメージは写真を志す当時の若者たちにも大きな影響を与えました。著名な写真家植田正治氏も「塩谷さんといえば、私たちにとって、それは神様に近い存在であった」と述べておりました。
塩谷定好が活躍した時代はカメラがまだ非常に高価であり、写真は「高級な趣味」として楽しまれていました。営業写真館の写真師以外、誰もがアマチュア写真家であり、写真雑誌のコンテストなどでの発表が主であり、まとまった形で発表されることが極めて少ない時代でした。
彼の評価は1982年に西ドイツ(当時)ケルン美術館での展覧会開催とフォトキナ栄誉賞受賞など、1970年代後半から欧米を中心に発信され年々高まってきました。
この展覧会では、2014年に開館した塩谷定好写真記念館所蔵品から精選されたヴィンテージ・プリント 25点を展示いたします。
また会期中、塩谷定好の孫であり塩谷定好の研究家でもある塩谷晋氏によるギャラリートークを開催(5月30日)いたします。
写真展の詳細
名称 | 写真歴史博物館 企画写真展「知られざる日本芸術写真のパイオニア 塩谷定好作品展」 |
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開催期間 | 2015年5月1日(金)〜2015年7月31日(金) |
開館時間 | 10時〜19時(入場は18時50分まで) |
定休日 | 無休 |
入場 | 無料 |
会場 | FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア) 写真歴史博物館 |
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