さまざまな「写真展」を随時案内していく本コーナー。オリンパスプラザ東京で2015年9月4日から開催予定の太田全治 写真展「橋の下の東京」を案内する。
江戸時代に「江戸府内」と定められたエリア内で生まれ、エリア内を流れ、エリア内から河口にでる川に架かる橋を全て巡りながら撮影した作品です。
浄土真宗中興の祖と呼ばれる蓮如上人の有名な一文「白骨の御文書」は葬儀、とりわけ、火葬場で僧侶により読み上げられることが多い。その冒頭は「それ、人間の浮生なる相をつらつら観ずるに、おほよそはかなきものはこの世の始中終、まぼろしのごとくなる一期なり」(意訳:人間の浮き草のように漂う姿を観るにつけ、一生というものは本当にはかなく、幻のようなものである)であります。
また、蓮如上人は人間の一生を「電光朝露」(意訳:稲妻のような一瞬であり、すぐに葉から落ちて土に還る朝露のようなものである)と喩えることが多い。
橋の上から眺める東京の川の姿も同様である。弱い風であろうが何かの力を受けると、その一瞬一瞬に姿を変えて止まることは無い。例えば、都市計画の如き人為の工事で無理矢理流れ方を矯正させられる、また、流れることで浅瀬や合流そして石などの障害にぶつかり川はその姿を変える。そう、格闘し、渦巻き、砕け、泡を吹く。そして、死んだが如く沈黙し周囲のビルを水面に映す。
ドッグイアーの典型都市と言われるほど止まることがわずかで変化が激しい東京の姿は、橋の上から眺める川の姿と妙に重なり合い、蓮如上人の言う「浮生なる相」・「まぼろしのごとくなる一期」・「電光朝露」のように見える。
橋の上に視線を移せばそこには橋の下同様に止まらず変化し続ける街並みがひしめき合う。そして、橋の上で私の横を通り過ぎる人の人生も変化し止まることはない。
この「橋の下の東京」は変化が一番激しい東京の光景を取り込みながら、様々に姿を変える川面の姿を通して、蓮如上人の言う「浮生なる相」・「まぼろしのごとくなる一期」・「電光朝露」を表現してみたものです。
出展作品数:モノクロ 約30点
写真展の詳細
名称 | 太田全治 写真展「橋の下の東京」 |
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開催期間 | 2015年9月4日(金)〜2015年9月9日(水) |
開館時間 | 11時〜19時(最終日は15時まで) |
定休日 | 木曜 |
入場 | 無料 |
会場 | オリンパスプラザ東京 |
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