手ブレ補正付き大口径ズームで撮る東京の紅葉――ニコン「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR」:交換レンズ百景(2/2 ページ)
全域F2.8通しの標準ズームといえば、光学メーカーにとっては自社ブランドを代表する顔であり、看板のような存在だ。ニコンの新しい看板レンズを使って東京の紅葉を撮ってみた。
スピーディなAF性能と良好な最短撮影距離
外形寸法は約88(最大径)×154.5(全長)ミリ。質量は約1070グラムとなる。既存モデルAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDと比べた場合、最大径は5ミリ、全長は21.5ミリ、質量は170グラムそれぞれアップした。またフィルター径は77ミリから82ミリへと大型化している。
F2.8通しの標準ズームの中でも最大級のサイズと重量であり、見た目の迫力も十分だ。手に取るとずっしりとした重さが伝わってくる。外装は堅牢性の高いエンジニアリングプラスチック製。温度変化や耐久性、耐衝撃性にも配慮されている。
操作面では、静かでスピーディに作動するAFに好印象を受けた。動体に対してもテキパキと合焦し、AF性能にストレスを感じることはなかった。マニュアルフォーカスについては、フォーカスリングがやや軽めだが、滑らかな作動を確認できた。
最短撮影距離は、38センチ(焦点距離35〜50ミリ)または41センチ(焦点距離24ミリ、28ミリ、70ミリ)で、最大撮影倍率は0.28倍。標準ズームとしては比較的寄れるほうだ。
今回の撮影では、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRの良好な写りと快適な操作レスポンスを堪能することができた。特に、開放値付近での滑らかなボケの美しさと、絞り込んだときのシャープネス、逆光耐性の強さ、スピーディなAF性能が気に入った。
手ブレ補正を搭載したことで、既存モデルより大きく重くなった点は少々つらいところ。ただ、ぶらぶらと歩く気軽なスナップ用には、そもそもフルサイズ機+大口径ズームを持ち出す人は少ないだろう。前もって撮る対象が決まった撮影目的の外出や、スタジオなどの室内用途にこそ本レンズは適している。携帯性よりも、写りと操作性を重視し、ここぞという撮影に活躍してくれるレンズといえそうだ。
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