「講談社以外は自由に使ってくれていいです」と佐藤秀峰氏、ニコニコ生放送で

ニコニコ静画で漫画「ブラックジャックによろしく」をZIPファイルで配布する案が浮上する中、配布に当たっての利用規約制定を目指すニコ生の場で、佐藤秀峰氏は「講談社以外は自由に使ってくれていい」と述べた。

» 2011年01月24日 19時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

ニコニコ生放送で進むブラよろZIP配布計画

 「講談社以外は自由に使ってくれていいです」――漫画家の佐藤秀峰氏が「ニコニコ動画(原宿)」の「ニコニコ生放送」で1月23日に放送された『「ブラックジャックによろしく」をzipでうp! 〜利用規約作成会議〜』でこのように明言した。

 同番組は、ZIPファイルとしてアーカイブした「ブラックジャックによろしく」(ブラよろ)を配布するに当たっての利用規約を決定する目的で企画されたもの。佐藤氏のほか、ニワンゴ取締役管理人の西村博之氏やガジェット通信の深水英一郎氏らが出演し、全3回の会議で公式な規約の制定を目指す。

佐藤秀峰氏 番組内の1コマ。写真は佐藤秀峰氏

 ブラックジャックによろしくは、2006年1月まで講談社「モーニング」誌上で連載された佐藤氏原作の医療漫画。同氏は連載時のモーニング編集部との確執について、自身の公式サイトで公表するなどしており、その後は作品のネット配信に積極的な姿勢を見せている。この動きの中で、ニコニコ静画でブラよろをZIPファイルで配布する案が浮上してきた。

 「ZIPで配布するのはもったいないのでは?」という質問に、「(作品を)寝かせといても何にもならないんですよね。思いついたらやった方がいいんじゃないかと思って、ブラックジャックによろしくだけとりあえずやって様子を見てみようかなと」と佐藤氏。改めてこの取り組みに前向きな姿勢が確認できたところで、「作者としてどんな使われ方をするのは嫌なのか」という点をユーザーコメントを拾い上げながら佐藤氏に質問する形で進行した。

 西村氏が「新宿の風俗店で遊人さんの絵が勝手に使われているんですけど、ああいう風にキャラの絵が使われるのは?」と質問すると、佐藤氏は「いいですよ。お世話になるところにはちゃんと恩を返さないと(笑)」と答えたほか、「ZIPファイルをCD-ROMとして売る」「画像を利用して同人誌を作って売る」「そのまま印刷して売る」「ダウンロードした画像を元に続編を勝手に作る」など多くの質問がコメントで寄せられたが、佐藤氏はこれらにことごとくOKを出し、NGな使い方が出てこないという状況だった。

 また、ブラよろの英訳版に関する話題も取り上げられた。現在は2巻まで進んでいるという英訳だが、まだその方法は洗練されたものではない。このため、ボランティアスタッフを募るアイデアが出され、前向きに検討が進められることになった。

ブラよろ英訳プロジェクトは吹き出しを直接英訳する方式も検討

 まだ課題も多いこの取り組みについて佐藤氏は、「完全自由にした場合、もしかするとすごく損するかもしれないが、今は新作も描いているのでそっちで稼げばいいし」と述べている。

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