Hanvonが新技術を解き放つ

中国で電子書籍リーダーとタブレットを手掛ける「漢王科技(Hanvon Technology)」は、新モデルを間もなく市場投入し、さらに、特定用途にデザインされた専用端末の提供も進めている。

» 2011年07月15日 12時00分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 エレクトロニクス系展示会の目的は、メーカーが自社が持つ最高の技術――時にはまだ自社が持たない最高のもの――を少しだけ見せびらかす機会を与えることだ。


 2011年1月にラスベガスで行われたCESで中国の電子書籍リーダーとタブレットのメーカー、漢王科技(Hanvon Technology)はもったいぶるように自社のカラー版E Inkリーダーを近日中にリリースすると発表した。

 5月末のBEAでも同じことを繰り返したが、もともとこれらのデバイスは、予定では3月に中国で、今年末に北米で発売されるはずだったが、展示会で製品を短時間試用し、それを利用する機会を熱心に待ちわびている消費者の手にはいまだに渡っていない。

 「Hanvonは現在、幾つかの新しい電子書籍リーダーのモデルを開発中で、その中には世界初のモノクロ、200dpiのE Inkリーダーと、世界初のカラーE Inkリーダーが含まれている。Hanvon E920はモノクロ、200dpiのE Inkリーダーで、7月末に中国市場でリリースされるだろう。また、中国の消費者はHanvon C9カラーE Inkリーダーが秋に発売されることを期待してよい。1月のCESで公開された両モデルはほぼ完成しており、間もなく入手可能になるだろう」とHanvonの国際ビジネス部門のマーケティングマネジャー、ビリー・ハナフィー氏はコメントしている。

 E 920は確かにその大々的な宣伝を裏切らない。E920は7種類のファイルフォーマットをサポートするほか、WebブラウザにOperaを備え、手書き機能のサポートやmicro SDスロットも用意し、9.7型のスクリーンで500グラムを少し超えるほどの重さに仕上げた。

 Hanvonは、今年のBookExpoでも展示された電子書籍リーダーのjetBookシリーズのメーカー、Ectacoとのダイナミックな提携を享受してきた。EctacoがHanvonのデバイスのファームウェアを開発してきた一方で、両社は小、中学校向けに幾つかの電子書籍リーダーについて協力してきた。これらのデバイス――特にjetBook ColorとjetBook K-12――は、すでに幾つかの市場で発売されており、米国、中国、東欧では近々始まる新学年に入手可能になるはずだ。

 「jetBook K-12は学生向けにデザインされている。一方でC9は消費者を対象とした電子書籍リーダーになるだろう」とハナフィー氏は付け加える。全市場でユーザーに特有の需要にフォーカスすることで、Hanvonは、消費者向けの万能デバイスを製品化するメーカーとは違って、製品利用者が最も使用する機能を中心にデバイスを設計しているのだ。

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