英国財務省は電子書籍に現在課せされている付加価値税の税率20%を当面下げないことを再確認した。同税率を3%にする予定のルクセンブルクに拠点を構える電子書籍ストアが注目を集めそうだ。
英The Bookseller.comの記事によると、英国財務省は電子書籍に現在課せされている付加価値税の税率20%を当面下げないことを再確認した。
欧州委員会(EC)は原則として電子書籍を「文化財」として認めていないため、EU各国は電子書籍については20%前後の付加価値税を徴収することが義務付けられている。しかし、ルクセンブルクは罰則覚悟で電子書籍の付加価値税率を3%にする予定で、同国に法人登記しているAmazon、Apple、Sonyなどの電子書籍大手サイトは、まもなく欧州全土に対して3%の税率で電子書籍を販売開始する予定。
現行のEUルールでは、電子コンテンツは販売国側の税率が適用されるため、イギリス人を含め、今後欧州系の電子書籍ユーザーの大半が、税率が圧倒的に安いAmazon/Apple/Sonyなど“ルクセンブルク系”電子書籍販売ベンダーに殺到することが予想される。
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