欧州の出版業界では電子書籍に対する付加価値税(日本でいう消費税)についての議論がヒートアップしている。20%前後の付加価値税を3%に下げるルクセンブルクに注目が集まっている。
ここ数週間、欧州の出版業界では電子書籍に対する付加価値税(日本でいう消費税)についての議論がヒートアップしている。
EU加盟国では原則として、紙書籍の付加価値税は平均5.5%前後と低いが、電子書籍は欧州委員会(EC)の取り決めにより「文化財」とみなされないため、付加価値税は20%前後と高い。英国などの多くの国はこの方針に従っているが、フランスはサルコジ大統領がこれを不服として、年明け1月から電子書籍の税率も5.5〜7.0%に下げることを宣言。しかし、その上をいくのがルクセンブルク政府で、3%にまで下げる予定だ。
Apple、Amazon、Sonyなど電子書籍大手グループはすでにこの動きを察知しており、各社とも欧州向け電子書籍販売サイトの登記をルクセンブルク国内に設置済み。欧州圏内の政治と節税対策の複雑さは、電子書籍でも如実に出た格好だ。
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