今年の「国際電子出版EXPO/東京国際ブックフェア」の初日に合わせ、IDPFが「EPUB3カンファレンス」を開催する。IDPFがアジアで実施する初の大規模な国際カンファレンスだ。
7月4日から東京ビッグサイトで開催される国際電子出版EXPO/東京国際ブックフェアに合わせ、IDPF(国際電子出版フォーラム)が「EPUB3カンファレンス」を開催する。
米国の電子書籍の標準化団体の1つであるIDPF。2011年に策定したオープンな電子書籍フォーマット「EPUB」の普及推進を掲げる同組織がアジアで初の大規模な国際カンファレンスを行う。EPUB3の名を冠しているだけあって、その最新動向が凝縮された注目のカンファレンスとなる見込みだ。
500名の定員で受講料は2万円と有料だが、目を引くセッションが多数存在する。例えばオープニングのキーセッションでは、講談社の野間省伸代表取締役社長、楽天の三木谷浩史代表取締役会長兼社長、丸善CHIホールディングスの小城武彦代表取締役社長、そしてIDPF事務局長のビル・マッコイ氏といった業界のけん引役が出版のこれからを語り合う。Koboを買収し、国内での本格展開も待たれる楽天の電子書籍事業について三木谷氏の口から語られる内容にも期待したいところだ。
このほか、EPUB3での表現力に関する最新事例や日本語対応を含めた実践事例、EPUB3ビューワのリファレンス実装を開発するIDPFのオープンソースプロジェクト「Readium」の進ちょくなどが分かるセッションなどが用意されている。登壇者の顔ぶれをみると、出版社からプラットフォーマーまで、あるいはビジネスレイヤーから開発現場までうまく人選されている。
電子書籍のオープンスタンダードフォーマットとして普及が見込まれるEPUB。しかし日本ではまだこれからといった状態で、いち早くEPUB3形式で配信を開始した国内の電子書籍ストアもさまざまな工夫を凝らしながらビジネスを展開している。そうした実態と現実も語られること貴重な場になるだろう。
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