BookWebPlusもKinoppyストアも、立ち読みまでは会員登録は不要です。いざ電子書籍を購入という段階で、新規会員登録を行うプロセスになります。会員登録は、どの電子書籍ストアでも必要な工程で、最初のハードルです。入力が必要な項目が多いほど、手間だし面倒ですよね。
紙書籍の通販を利用する気がなかったとしても、住所や電話番号の入力が必須項目になってしまっているのは少々面倒です(☆-0.5)。また、登録完了までの画面遷移が少ないのはいいのですが、実在のメールアドレスかどうかを確認するステップが省略されているのは気になります。
BookWebPlus及びKinoppy for Androidのストアでの支払方法は、クレジットカードまたはプリペイド式の紀伊國屋書店ギフトカードです。商品購入によって溜まったポイントを使うことで、支払いから割り引くことができます。学生の方など、クレジットカードを持つことができない人の場合は、紀伊國屋書店ギフトカード以外の支払い方法がないのは辛いところです(☆-0.5)。
Kinoppy for iOSでは、AppleIDによるアプリ内決済に対応しています。アプリ内課金を使うと、Appleへ手数料を3割払う必要があるのですが、利益を削ってもユーザーの利便性を追求した紀伊國屋書店の英断だと思います(☆+1.0)。プリペイド式のiTunes Cardは家電量販店やセブンイレブンなどで購入できるので、幅広いユーザーが利用可能ですし、割引販売されているのも魅力です。ただし、紀伊國屋書店ギフトカードは使えません。
難点として、BookWebPlusで検索すればヒットするタイトルが、Kinoppy for iOSのストアで検索しても出てこない場合があります。これは、Appleのアプリ内決済の制限で販売価格が決まった価格しか設定できず、BookWebPlusと同じ値段にできないことから起こる二重価格を防ぐため、出版社側で販売を許諾しないケースがあるためです。この場合は、BookWebPlusから購入し、Kinoppy for iOSで同期すれば読むことができます。
事情はともかく、検索しても表示されないと取り扱いそのものがないというように勘違いさせてしまうので、少しもったいない気がします。もっとも、アプリ内からリンクを貼ってWebへ誘導した上で購入させるような仕組みは、プラットフォームを提供するAppleが許諾してくれないという難しさもあり、改善が難しそうな部分です。
このほか、シリーズまとめ買いに対応しているのは良い点として挙げられます(☆+0.5)。ただ、海外からの購入に対応していない(☆-0.5)のは残念な点です。
なお前述の通り、購入済みの書籍をストアで検索し詳細画面を開くと、[電子版を購入する]ボタンは「この商品は既にご購入いただいています。」という表示に変わっているので、同じ電子書籍を誤って二重で買ってしまうことはありません。これは親切です。
評点:☆3.0
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