これでもう迷わない、電子書店完全ガイド――紀伊國屋書店BookWebPlusあなたに合った電子書店を見つけよう(3/5 ページ)

» 2012年09月21日 08時00分 公開
[鷹野 凌,ITmedia]

簡単に購入できるか?

 BookWebPlusもKinoppyストアも、立ち読みまでは会員登録は不要です。いざ電子書籍を購入という段階で、新規会員登録を行うプロセスになります。会員登録は、どの電子書籍ストアでも必要な工程で、最初のハードルです。入力が必要な項目が多いほど、手間だし面倒ですよね。

左図/未ログイン状態で[電子版購入へ]ボタンをクリックすると、ログインまたは入会を求める画面になります。[買い物かごを見る]ボタンは紙書籍用の機能で、電子書籍には対応していません。右図/[会員登録]をクリックすると、プライバシーポリシー及び会員規約の同意画面になります。一番下の[同意する]ボタンをクリックすると、次の画面へ進みます
会員登録情報の入力画面(2分割しています)。右上に「※海外にご在住の方はこちらから」とありますが、これは紙書籍用で、電子書籍は日本国内在住の方だけが対象になっています。左図/姓・名、フリガナ、メールアドレス、パスワード、住所、電話番号、性別、生年月日、支払方法と、紙書籍の発送を前提としているため入力必須項目が多めです。右図/電子書籍の購入には、クレジットカードの登録が必須です。入力が終わったら[次へ進む]をクリックします
左図/入力した情報を確認したら、[登録]をクリックすると完了です。登録したメールアドレスには「御入会ありがとうございます」というメールが届くだけで、認証URLをクリックするようなプロセスはありません。右図/[電子版を購入へ]のボタンを押してから会員登録という遷移を辿った場合は、購入確認画面になります。この画面で[電子版を購入する]をクリックすると、注文確定です
左図/注文確定画面。右図/[Kinoppy for PC で読む]ボタンをクリックすると、この画面になります。PCで読む場合は、Kinoppy for PCを、モバイル端末で読む場合はKinoppyをGoogle PlayまたはApp Storeからダウンロードしましょう

 紙書籍の通販を利用する気がなかったとしても、住所や電話番号の入力が必須項目になってしまっているのは少々面倒です(☆-0.5)。また、登録完了までの画面遷移が少ないのはいいのですが、実在のメールアドレスかどうかを確認するステップが省略されているのは気になります。

左図/Kinoppy for Androidの場合も、未ログイン状態で[電子版を購入]をタップすると、ログインまたは入会を求める画面になります。中央図/[会員登録]をタップすると、利用規約とプライバシーポリシーの同意画面になります。右図/入力必須項目はモバイルからの場合でも同じです

 BookWebPlus及びKinoppy for Androidのストアでの支払方法は、クレジットカードまたはプリペイド式の紀伊國屋書店ギフトカードです。商品購入によって溜まったポイントを使うことで、支払いから割り引くことができます。学生の方など、クレジットカードを持つことができない人の場合は、紀伊國屋書店ギフトカード以外の支払い方法がないのは辛いところです(☆-0.5)。

AppleIDによる購入

 Kinoppy for iOSでは、AppleIDによるアプリ内決済に対応しています。アプリ内課金を使うと、Appleへ手数料を3割払う必要があるのですが、利益を削ってもユーザーの利便性を追求した紀伊國屋書店の英断だと思います(☆+1.0)。プリペイド式のiTunes Cardは家電量販店やセブンイレブンなどで購入できるので、幅広いユーザーが利用可能ですし、割引販売されているのも魅力です。ただし、紀伊國屋書店ギフトカードは使えません。

 難点として、BookWebPlusで検索すればヒットするタイトルが、Kinoppy for iOSのストアで検索しても出てこない場合があります。これは、Appleのアプリ内決済の制限で販売価格が決まった価格しか設定できず、BookWebPlusと同じ値段にできないことから起こる二重価格を防ぐため、出版社側で販売を許諾しないケースがあるためです。この場合は、BookWebPlusから購入し、Kinoppy for iOSで同期すれば読むことができます。

 事情はともかく、検索しても表示されないと取り扱いそのものがないというように勘違いさせてしまうので、少しもったいない気がします。もっとも、アプリ内からリンクを貼ってWebへ誘導した上で購入させるような仕組みは、プラットフォームを提供するAppleが許諾してくれないという難しさもあり、改善が難しそうな部分です。

 このほか、シリーズまとめ買いに対応しているのは良い点として挙げられます(☆+0.5)。ただ、海外からの購入に対応していない(☆-0.5)のは残念な点です。

 なお前述の通り、購入済みの書籍をストアで検索し詳細画面を開くと、[電子版を購入する]ボタンは「この商品は既にご購入いただいています。」という表示に変わっているので、同じ電子書籍を誤って二重で買ってしまうことはありません。これは親切です。

評点:☆3.0

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