ScanSnap SV600にはいくつかのソフトウェアが付属する。基本的には今までのScanSnapにも付属していたものだが、SV600に合わせて機能強化されたものもある。
ScanSnap Organizer
ScanSnap Organizerは、ScanSnapシリーズに代々付属するスキャンデータの管理ツールだ。SV600で書籍を取り込んだ際の補正前の作業データも同時に保存されるため、とりあえずスキャンしておいて補正は後から行ったり、基本的には自動検出にまかせるけれど見過ごせないほどの誤補正があったときには修正する、といったことが可能だ。作業データはScanSnapフォルダ(デフォルトではドキュメント\My ScanSnap)の下の.organizerrawにrawフォーマットで保存されている。
そのほかにも取り込んだ後からのOCR処理、ページ単位での編集などが可能なScanSnap Organizerビューアとの連携、DropboxやEvernoteへの保存のサポートなど、スキャンボタンを押したときに連携するアプリにふさわしい機能を持ちながらも、できるだけデータに独自性を持たせず、エクスプローラなどからファイルの直接操作を行っても不整合が生じないなど、スキャン後の連携アプリとしてかなり便利なツールとなっている。
Magic Desktop
Magic DesktopはScanSnapで取り込んだ画像、PDFファイル、その他のオフィス文書などの情報を分類・整理するためのツールだ。Facebookと連携し、メンバーとブラッシュアップしたものをクリップボードに貼り付けていく。最終的にはクリップボードから楽2ライブラリsmartのバインダとして出力する。
かつてOfficeには「Officeバインダー」という機能が搭載されており、WordやExcelなど複数のアプリケーションで作成したファイルを1つにまとめることができた。これはPowerPointで作成した説明資料、写真などの画像データ、Wordで作成したマニュアル、表紙などを1つにまとめて仕上げる完成図書のようなものを作成するときに重宝していたが、Office XPから搭載されなくなってしまった。Magic Desktopはこれと同様に複数のアプリケーション、ファイル形式を1つにまとめて楽2ライブラリsmartのバインダの形式で出力できる。
Magic Desktopではいったん取り込んだ書籍のスキャンデータを後から補正することもできる。そのスキャンデータを含め、MagicDesktopのデータは %APPDATA%\PFU\MagicDesktop 以下に保存され、変更はできない。%APPDATA%は通常Cドライブにあるが、容量の小さいSSDをCドライブに、容量の大きなHDDをデータ用ドライブに割り当てている場合などは変更したいと思うこともあるだろう。
その場合はOSの機能を使って%APPDATA%を別のドライブに変更するか、ジャンクションを使ってMagicDesktop用のデータだけを変更する方法がある。ここではドキュメント以下にMagicDesktop用のデータフォルダを作成する手順を紹介しよう。
1. MagicDesktopが起動していない状態でスタートメニュー>プログラムとファイルの検索フィールドに「%APPDATA%」と入力、エンターキーを押す
2. エクスプローラーが開くので、PFUに移動
3. MagicDesktopフォルダをドキュメントの下に移動
4. 2.のエクスプローラーのアドレスバーに「cmd」と入力、エンターキーを押す。
5. コマンドプロンプトが開くので、以下のコマンドを入力
mklink /J MagicDesktop <ドキュメントに移動させたMagicDesktopフォルダのパス>
楽2ライブラリsmart
楽2ライブラリsmartはぱらぱらとめくる操作をPC上で再現した電子書籍のビューアおよび管理システムだ。SV600対応機能としてSV600で取り込んだ書籍データからブックサイズ、めくり方向を読み取り、そのままバインダにしてしまう「楽2ブッククリエーター」が搭載された。
やさしく家計簿エントリー2
レシートを読み取って家計簿を半自動でつけていく家庭向けソフト。背景マット上に複数のレシートを置いて1度に読み取ることが可能。しかし、レシートは折り目がついていたり、反っていたりと、あまり原稿としてよい状態ではないことが多い。オートシートフィーダであればローラーで強制的に伸ばしたり、フラットベッドだと上から押さえつけることで平面に近い状態に戻すこともできるが、単に背景マット上に置くだけのSV600ではそのまま取り込まれてしまうのが難点だ。
CardMinder
名刺管理ツール。読み込んだあとにOCRでテキスト化、管理できる。
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