出版業界ニュースフラッシュ 2015年1月第5週

出版科学研究所による2014年の出版物推定販売金額などが話題に。

» 2015年02月04日 11時30分 公開
[新文化通信社]
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文教堂、出版社別売り上げランキングなど発表

 2014年1月1日から12月31日までの出版社別売上ベスト100、伸長率ベスト20、「BOOK OF THE YEAR 2014」などを発表した。

 出版社別の売り上げ1位は講談社(前年1位)。2位はKADOKAWA(同3位)、3位は集英社(同2位)、4位は小学館(同4位)、5位は学研マーケティング(同5位)となり、トップ5の顔ぶれは変わらず。

※出版社別売上げベスト50はこちら(PDFファイルをダウンロード)

 売り上げ伸長率1位は、三五館(前年比104.1%増)、2位はガイドワークス(同81.7%増)、3位は暮しの手帖社(同61.9%増)だった。

 「総合販売ランキング」は1位から順に『TRF イージー・ドゥ・ダンササイズ DVD BOOK ESSENCE』(宝島社)、『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)、『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』(アスコム)、『学年ビリのギャルが1年で偏差値40上げて慶應大学に合格した話』(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)、『村上海賊の娘 上』(新潮社)。

 また、作家別販売ランキングの1位は百田尚樹(前年2位)で、14万8577冊。2位は佐伯泰英(同4位)の13万6591冊、3位は東野圭吾(同3位)の13万4609冊だった。

 なお、本紙2月5日発行号には出版社別売上ベスト100社と、出版社別売上伸長率ベスト20のランキング表を掲載する。

取協・藤井武彦会長、公共図書館の複本は「迎合的な図書館ポピュリズム」

 1月28日、東京・丸の内の東京會舘で行われた読売新聞社主催の「平成27年新春懇親会」に、日本出版取次協会の藤井武彦会長(トーハン)が出席。公共図書館の複本問題について「住民サービスの本質をはき違えている図書館が顕在化している」と言及した。文庫本やコミックスの複本が、周辺書店の売り上げに影響を及ぼし、作家に収入が回るサイクルが弱まることが指摘されていることを受け「迎合的な図書館ポピュリズム」と強く批判。「公共図書館の本来的な役割とは何かを見据えて、軌道修正の働きかけをしていく」と方針を示した。

 また、再販制度については「形骸化させてはいけないことが大前提」とし、「部分・時限再販の弾力的な運用の議論は深めていく」と述べた。

挨拶する藤井会長 挨拶する藤井会長

2014年の出版販売金額、前年比4.5%減の1兆6065億円に

 1月26日、出版科学研究所は取次ルートにおける2014年の出版物推定販売金額が前年比4.5%減の1兆6065億円と発表した。1950年の調査開始以来、最大の落ち込みとなった。

 内訳は、「書籍」7544億円(前年比4.0%減)、「雑誌」8520億円(同5.0%減)。雑誌分野のなかで「月刊誌(週刊誌をのぞくすべて)」は6836億円(同4.0%減)、「週刊誌」は1684億円(同8.9%減)となった。

 返品率は「書籍」が37.6%(同0.3ポイント増)、「雑誌」が40.0%(同1.2ポイント増)。

 「書籍」の新刊点数は7万6465点(同1.9%減)。その発行部数は10億8398万冊(同4.5%減)。発行金額は1兆2092億円(同3.4%減)。「雑誌」の銘柄数は3179点(同2.0%減)、発行部数は26億6832万冊(同4.5%減)。発行金額は1兆4193億円(同3.2%減)。

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