出版業界ニュースフラッシュ 2015年2月第1週

再販用語の見直しと表現の統一化が問題提起されたことなどが話題に。

» 2015年02月09日 11時00分 公開
[新文化通信社]
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出版再販委員研究会の相賀昌宏委員長、「再販用語の見直しへ」

 2月5日、東京・千代田区のホテルグランドパレスで行われた「新年懇親会」の席上、相賀委員長(小学館)は「部分再販」は正しくは「非部分再販」、弾力的運用もとめどなく値引きをするニュアンスがあり、「非硬直的な運用」と表現するべきではないかと話し、用語の見直しと表現の統一化を問題提起した。1月28日、公取委による出版4団体へのヒアリングを受けて、提言したものとみられる。

 また、定期購読の値引きサービスについては、「10%以下が妥当」とし、一定の許容範囲を示した。

 雑協の石﨑 孟理事長(マガジンハウス)、取協の藤井武彦会長(トーハン)、日書連の舩坂良雄会長(大盛堂書店)は、再販維持を前提にしながら、読者サービスの大切さを訴え、出版再販研究委員会副委員長の斎藤健司氏(金の星社)も「読者に向き合っていく上で、再販の最適化を図っていくべき」と話した。

第1回「沖縄書店大賞」、「銀翼のイカロス」など2作決まる(2/5)

 沖縄県の書店員が読者に一番読んでもらいたい本を選ぶ第1回「沖縄書店大賞」がこのほど発表された。小説部門は池井戸潤『銀翼のイカロス』(ダイヤモンド社)、郷土書部門は大城さとし『おばぁタイムス』(沖縄タイムス社)。

 同賞は8書店の書店員と沖縄教販が実行委員会を組織して運営。沖縄県書店商業組合、沖縄県教科書供給、日販、トーハンが協賛した。日本の小説と郷土書を対象にして、それぞれ193点、93点がノミネート作に選ばれたあと、両部門・各5点が候補作になり、書店25店の160人の投票から大賞2作が決まった。

集英社「オレンジ文庫」、創刊5点のうち4点重版

 1月20日に創刊したライト文芸レーベル「集英社オレンジ文庫」の売れ行きが好調で、品切れする書店が相次いでいる。同社では創刊ラインアップ5点のうち4点で重版を決めた。出来日は2月9日。3刷の検討も始めている。

 発売10日目の1月29日には、椹野道流『時をかける眼鏡 医学生と、王の死の謎』の実売率が、紀伊國屋書店のパブラインで46%を超え、日販POS店調査でも約35%と好調。谷瑞恵『異人館画廊 贋作師とまぼろしの絵』も日販で約34%、トーハンで約32%となった。

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