栗田出版販売が民事再生手続きを開始したニュースが大きく話題になりました。
栗田出版販売は6月26日、東京地裁に対して民事再生手続き開始の申し立てを行い、同日午後4時50分ごろ同地裁が受理した。
現在、日販などが出資する出版共同流通が再生期間におけるスポンサー企業として候補に挙がっている。今後は再生へ向けて大阪屋との統合を目指す考え。
同26日以降、栗田は当面の間、大阪屋に信用補完と物流代行の支援を受け、出版共同流通、OKC、KBCと連携して物流を行う。出版社における「新刊・注文分」の取引主体は大阪屋。「栗田分」としてOKCに搬入する。返品主体も大阪屋で、出版共同流通を経由して行う。出版社の請求先は栗田の条件で大阪屋に変更する。書店はこれまで通りの取引で実務作業に変更はない。
今後、7月6日午前10時半から債権者説明会、午後3時から書店向け説明会を、東京・中央区のベルサール汐留で開催する。約3カ月後に再生計画案を提出、債権者集会はその2カ月後になると思われる。
首都圏栗田会の奥村弘志会長(南天堂書房)は、早くも「栗田支援」を表明。大阪屋の株主6社も支援する方針を固めているようだ。
太田出版は、神戸連続児童殺傷事件の加害男性による手記『絶歌』を10万部増刷、累計発行部数は25万部(3刷)となる。7月1日出来。
6月11日の発売直後、同社には批判的な問い合わせが多数寄せられていたが、現在届いているハガキの7割以上は「賛成の内容」だという。
河出書房新社が昨年から始めた創業130周年企画「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」など大型企画が実績を上げている。6月22日、東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で開かれた企画説明会で小野寺優社長が報告した。
2014年11月から刊行の始まった『日本文学全集』は、5月31日までの全30巻予約数が4202セット。全巻予約を獲得した書店数も1489書店と予想を上回る実績を出した。シリーズ第1弾『古事記』は現在、5万5000部(6刷)まで伸長している。
小野寺社長は「外商店だけでなく、店売店も非常に多く含まれていて、2桁の予約を獲得した書店もある。ここ数年、店売における大型企画の積極的な取組みと、ノウハウの蓄積が実感される結果」と話した。
また、これまでに刊行した図鑑企画についても、実売率はそれぞれ『世界の音楽大図鑑』が94%、『世界の図書館』が89%、『こども生物図鑑』が77%、『なんでもまる見え大図鑑』が70%。特に『〜音楽大図鑑』、『〜図書館』は「在庫が底を尽きかけている状態で、重版を検討する段階」(小野寺社長)となっている。
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