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ドイツ語圏でさっそく電子書籍の再販制トラブル:スイス大手電子書店vs.独大手出版社
電子書籍が再販制の対象となっているドイツで、Random Houseドイツ法人が、スイスの大手電子書店サイト「exlibris.ch」に対し、作品の供給をストップした。
ドイツの電子書籍ニュースサイト「e-Book-News.de」によると、電子書籍の再販制をめぐり、Random Houseドイツ法人などが、スイスの大手電子書店サイト「exlibris.ch」に対し、作品の供給をストップした。
ドイツ/スイスは同じドイツ語圏だが、電子書籍の価格制度が異なる。前者は再販制の対象となっているが、後者では自由価格制度を採用。結果、スイス側でドイツ語電子書籍を割引販売している「exlibris.ch」サイトで作品購入するドイツ人が増えることを恐れたRandom Houseなどが、エージェンシーモデルへの転換を名目に、同サイトへの作品供給をストップした。
EU圏内は現在、イギリスを中心とする電子書籍の自由価格国と、ドイツ・フランスを中心とする再販制適用国の2勢力が政治的な睨み合いを続けており、今後この手のトラブルがますます増えそうな気配だ。
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