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Google Book Search裁判混迷、「今さら著作権者が気になるのか?」判事がGoogleに質問
2005年に始まった「Google Book Search訴訟」がさらに混迷を深めている。Googleは出版社側と共闘体制を構築する戦略を志向し始めたようだ。
現地時間の5月3日、2005年に始まった「Google Book Search訴訟」がさらに混迷を深めているようだ。
現地報道によると、被告側の米Googleは今年1月に原告団からThe Authors Guildなど作家団体を排除するよう裁判所に要請。今回の公聴会は、その要請内容に対する双方の主張を確認するためのもの。
デニー・チン判事は「(Google側はフェアユースを主張しているはずなのに)今さら著作権者のことが気になるのか?」とGoogle弁護団に質問したところ、「議論の大前提となっている著作権の所有者は、出版契約により、著者ではなく出版社側である可能性を主張しているだけ」と答え、論点の切り替えを要請。
Google弁護団は現在、極秘裏に大手出版社と新たな和解交渉を進めており、今回のやり取りは「出版社側と共闘体制を構築した方が無難」というGoogle側の計算があるようだ。本件について、チン判事は結論を出すのは早くても9月以降となる予定。
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