2017年度には2000億円市場に――ICT総研の2014年度電子書籍市場予測
2013年度の電子書籍コンテンツの市場規模は963億円。ICT総研の2013年度予測の1010億円を下回る結果となった。
ICT総研は10月15日、2014年度の電子書籍コンテンツ市場動向に関する調査結果を発表した。調査対象はインターネットユーザー4409人。
調査によると、2013年度の電子書籍コンテンツの市場規模は、同社が予測した1010億円を下回る963億円となった。2013年度は、ケータイ向け電子書籍市場が予測より大幅に縮小しており、その差を埋めるようにしてスマートフォン・タブレット向け電子書籍市場が拡大した。
電子書店の利用率では、楽天Koboイーブックストアが6.6%でトップに、次いでAmazon Kindleストアが0.1ポイント差で2位となった。1万2917人を対象に行った2013年度の調査では、楽天Koboイーブックストアが2.5%、Amazon Kindleストアが2.1%となっており、わずかながら数値の上昇が見られる。しかし、この1年で電子書店を利用したことがあるか(無料コンテンツのみの利用も含む)という質問では、76.7%の人が利用していないと回答しており、まだまだ電子書籍市場が発展途上の段階にあることが伺える。
電子書店別の満足度では、eBookJapanが76.1ポイントでトップ。2位〜4位はLINEマンガ、BookLive!、BOOK☆WALKERと並んでおり、マンガを強みとしている電子書店が上位にランクインしている印象だ。
電子書籍のコンテンツ市場規模は、2017年度には2000億円に届くとの予測がされている。2012年度から2013年度にかけ、ケータイ向け電子書籍市場とスマートフォン・タブレット向け電子書籍市場の規模が逆転していることから分かるように、ケータイ向け電子書籍市場は急速にその規模を縮小している。今後はその縮小分を補てんする形で、スマートフォン・タブレット向け電子書籍市場が成長するとの予測だ。
電子書籍リーダー端末やタブレット端末の出荷動向に目を移すと、NTTドコモのiPad取り扱い開始やWindowsタブレットの増加などの追い風を受け、タブレット端末の出荷台数が大幅に増加。電子書籍閲覧端末全体で見ると、2013年度には780万台と前年比140%の伸長率を記録した。
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