原稿執筆から販売までをサポート、出版社が手掛ける「∞books」
完成した本にはISBNが付与され、出版社であるデザインエッグを通じて出版することもできる。印税は、紙書籍が10%、電子書籍が販売プラットフォームの手数料を差し引いた額の50%。
3月5日、原稿の作成から、Amazonや全国書店に流通するまでをサポートするサービス「∞books(ムゲンブックス)」がスタートした。
余白や文字組みなど必要な設定は全てシステムが自動的に行うため、ユーザーは文字入力するだけで簡単に原稿の執筆が可能。注文があった冊数だけ印刷するオンデマンド印刷を採用しているため、在庫を抱える心配もなく、本の購入資金の一部を印刷費に充てるため実質無料で出版できるとしている。
完成した本にはISBNが付与され、出版社であるデザインエッグを通じて出版することができるほか、本の著作権は著者にあるため他の出版社や電子書店で販売することも可能。デザインエッグを通じて出版した場合の印税は、紙書籍が10%、電子書籍が販売プラットフォームの手数料を差し引いた額の50%となっている。無料の作品を作ることはできず、紙書籍は570円以上、電子書籍は100円以上の価格設定が求められる。
開発を手掛けたのは、デザインエッグの佐田幸宏さんと安井惇さん、インパスの山下一樹さんの3人。KDDIのベンチャー育成プログラム「KDDI∞Labo」の第七期プログラム採択案件として制作したサービスだという。
デザインエッグは過去に、PDFファイルをアップロードするだけで本が作れるサービス「MyISBN」をリリースしており、1年半で250タイトルの本を出版。しかし、ユーザーの中にはPDFを作成することに技術的な課題を抱える人もいたため、今回のような文字を打ち込むタイプのサービスを展開するに至ったという。今後も本を書きたいというユーザーのニーズに応え、1万タイトルの出版を目指していくとしている。
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