BEA eWorld 2002 Keynote:「BEAとインテルの関係は進化する」としたインテルの幹部

【海外記事】2002.2.26

 米BEAシステムズがカリフォルニア州サンディエゴのサンディエゴコンベンションセンターで開催している「BEA eWorld 2002」2日目の2月26日,基調講演に米インテルコーポレーションの副社長兼ディレクター,ジョン・デイビス氏が登場。2001年7月24日に発表されたBEAとインテルの提携関係を拡大することを明らかにした。

「BEAとインテルの関係は進化する」としたインテルのジョン・デイビスVP

 この発表により両社は,BEAのJ2EEアプリケーションサーバ「BEA WebLogic Server」およびJVM技術を,インテルの32ビット,64ビットそれぞれのIAサーバ上で最適化していく計画という。BEAは2月25日に,同カンファレンスにおいてスウェーデンのJVMベンダーであるアピール・バーチャルマシンの買収を発表。アピールのJVM製品「JRockit」を,WebLogic Serverに最適化することを発表している。

 これによりインテルは,大規模エンタープライズシステムの実装を,Windows環境,またはLinux環境で実現することが可能になる。これまでの大規模システム構築では,開発環境としてIAサーバが利用され,本番環境はSolarisなどのUNIXサーバに移行されてしまうという苦渋を味わってきたインテルが,本番環境としてのUNIXサーバ市場の牙城を切り崩すことができる新たな一手として期待しているようだ。

 デイビス氏は,「今日,インテルとBEAの協力関係は,大規模企業システム構築の実現に向け大きく前進した。両社の強力により,最高のパフォーマンスと,最高のコスト効率を大規模企業プラットフォームに提供することが可能になる」と話す。

デモでは,最新のサーバを利用してECperfが行ったベンチマークテストを再現

 この言葉を証明するために同氏は,インテルの最新技術を搭載したサーバマシンを会場に持ち込み,ECperfが行ったベンチマークテストを再現して見せた。

 同ベンチマークテストは,独立系のJ2EEベンチマーク機関であるECperfを利用して,HPがIAサーバおよびBEA WebLogicを組み合わせて行ったもの。結果は,IBMがWebSphereとeServerを利用して行ったテスト結果に比べ,HP,インテル,BEAの組み合わせが,パフォーマンスで25%,トランザクションコストで47%,優れていたという。

 同ベンチマークテストは,Intel Pentium III Xeonプロセッサ900MHzを搭載したHPの「hp netserver」2ノードのクラスタ構成で行われている。クラスタ構成においても同氏は,「2〜4ノードまで,リニアなスケーラビリティを実現することが可能だ」としている。

 デイビス氏は,「産業構造がビルディングブロック化することに伴い,ビジネスにおけるITへの要求は,以前に比べ非常に高いものになっている。BEAとインテルが協力することで,高いパフォーマンスと信頼性,可用性を兼ね備えた柔軟性に優れた大規模企業向けプラットフォームを低コストで実現することが可能になる」と話す。

「インテルとBEAは,最適な企業プラットフォームの実現に向け,今まさにスタートを切ったところだ」(デイビス氏)

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[山下竜大 ,ITmedia]