エンタープライズにもOracle Linuxの「静かな激震」

【国内記事】2002.3.01

 日本オラクルは3月1日,都内のホテルで「Oracle Linux Summit 2002 Spring」カンファレンスを開催した。同社の常務執行役員であり,ミラクル・リナックスの社長も兼務する茂木正之氏は,冒頭のあいさつに立ち,「エンタープライズ分野でもLinuxによる“静かな激震”が始まった」と話した。Linuxによる企業システムの変革を確信する約800名の参加者を前に確かな手ごたえを感じたようだ。

 日本オラクルでは10月下旬,Solaris版やWindows NT版とほぼ同時期にOracle9i for Linuxを出荷しており,これまで300本以上をライセンスした。また,カンファレンス前日にはデルコンピュータとの協業を発表し,Linux版のOracle9i Real Application Clusters(Oracle9i RAC)とデルのPowerEdgeサーバを組み合わせた,24時間365日止まらない企業向けソリューションを共同で提供していくことも明らかにしている。

 1月30日にはラリー・エリソン会長が,3台の業務UNIXサーバをOracle9i RAC for LinuxとIAサーバによるクラスタシステムに移行することを宣言した。

 また,午前中のゼネラルセッションで,日本オラクルとミラクル・リナックスの両社でLinux製品のマーケティング責任者を兼務する藤城薫氏が,オラクルのLinux戦略について説明した。

 藤城氏は,昨年秋に行われたOracle Linux Summitでも,参加者の4割が既にLinuxを導入しており,検討中を加えると約6割に達していたことを紹介した。用途も,Webサーバが4割とトップだが,データベースも3割に上っていたという。

「既にLinuxは,情報システム構築の際の選択肢の1つとなっている」と藤城氏。

 Oracle9i for Linuxのバリューとしては,既に触れたOracle9i RACのほか,64ビットインテルアーキテクチャへの取り組みも挙げた。米国で昨年12月初め,Oracle9i for IA64 Developer Releaseをリリースしたほか,日本でもカンファレンス前日,MIRACLE LINUX V2.0 for the Itanium Processor Developer Releaseのベータ版をダウンロードできるようにした。

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[ ITmedia]