柔軟なプラン設定でアウトソーシングビジネスを加速するオラクル
【海外記事】 | 2002.4.10 |
「Oracle AppsWorld 2002」で最も注目を集めたトピックは,ラリー・エリソンCEOが4月9日の基調講演で明らかにした「丸抱えアウトソーシング」サービスをはじめとするアウトソーシングサービスだった。
オラクルでアウトソーシングサービスを統括するティム・チョウ氏は4月10日,エンタープライズチャンネルの取材に対し,この新しいサービスモデルを噛み砕いて説明してくれた。
ティム・チョウ氏 |
このサービスは,Oracle E-Business Suite(EBS)ユーザーであるか,Oracleデータベースの顧客に提案される。
前者の場合は,同社の運用環境,および運用スタッフをオラクルに外注することで,IT部門の人員削減が可能になる。また,オラクルでは,「開発者であるわれわれこそが,運用の適任者である」としており,コストを下げるだけでなく,パッチ適用作業の確実性や,顧客のアップグレード要件に迅速に対応できることなどが組み合わさり,顧客に与える価値を最大化できるという。
「つまり,われわれのサービスを利用してもらえば,システムに関して何も心配しなくてよくなるし,システムが頭痛の種になることもなくなる」(同氏)
またチョウ氏は,後者の場合にもサービスを提供できるという。つまり,カスタムメイドのアプリケーションを,Oracleデータベース上で稼動させているユーザーに対して,データベースに的を絞った運用管理アウトソーシングサービスを提案するという。
「もちろんOracle EBSを使ってほしいのだが,顧客がどうしてもというなら,この選択肢を提案する。それだけ,われわれがアウトソーシングサービスに力を入れるということだ」(同氏)
どちらも,価格は,1カ月当たりライセンス料金の5%で,オラクルが遠隔地から企業内システムのメンテナンスサービスを提供する場合は3%。後者の場合,ライセンスがデータベース,もしくはデータベースとアプリケーションサーバのみなので,両方をアウトソースするよりも安くなる。
では,エリソン氏の話した「丸抱えプラン」はどうだろう。これは,企業の年間システム予算総額の価格の95%(初年度)で,オラクルが既存システムの運用を請け負い,アップグレードも任せるというものだ。契約期間は7年で,オラクルは当初5年間,毎年5%ずつ請求額を引き下げていく。
この場合,既存システムをOracle EBSに完全に切り換えるまでの間,既存システムを運用し続ける必要が出てくるが,チョウ氏は,顧客が抱えるITスタッフを雇い入れることで,問題をクリアすることも視野に入っているという。
「Oracle EBS 11iは,非常に柔軟で,どんな企業のビジネスプロセスにも対応できると自負している。アウトソースしてくれれば,さらなる価値を提供することを約束する。あらゆる企業に,11iを使ってほしい」(同氏)
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[井津元由比古 ,ITmedia]