エンタープライズ:ニュース 2002/07/09 21:24:00 更新


日本BEA、統合アプリ構築プラットフォームの新製品「WebLogic Platform」をリリース

日本BEAは、同社のアプリケーションサーバを中核に、企業ポータル、インテグレーション、統合開発環境、セキュリティをパッケージした新しいプラットフォーム製品の日本語版「BEA WebLogic Platform 7.0J」を、「BEA Developer Conference 2002」でお披露目した。

 日本BEAシステムズは7月9日、統合アプリケーション構築プラットフォームの新製品「BEA WebLogic Platform 7.0J」の販売を開始したことを発表した。出荷の開始は8月30日を予定している。この発表は同日より都内ホテルで開催されている「BEA Developer Conference 2002」で行われたもの。同カンファレンスは、明日(10日)まで開催されている。

 BEA WebLogic Platform 7.0Jは、同社の主力製品であるアプリケーションサーバ「BEA WebLogic Server」を中核に、企業アプリケーション統合を実現する「BEA WebLogic Integration」、企業ポータルを実現する「BEA WebLogic Portal」、統合Webサービス構築環境である「BEA WebLogic Workshop」で構成される統合アプリケーション開発環境。

 アプリケーション開発に必要なコンポーネントをパッケージングすることで、単一のインストール環境、単一の開発環境、単一の実行環境、単一の管理環境、単一のセキュリティ環境を実現。高い柔軟性や拡張性、可用性、安全性に、使いやすさを兼ね備えたアプリケーション開発環境を提供することができるという。

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米BEAのCT、スコット・ディッゼン氏

 BEA Developer Conference 2002での講演のために来日した米BEAのCTO(最高技術責任者)、スコット・ディッゼン氏は、「われわれのプラットフォーム製品は、密に統合されているので製品間の相互運用性が高く、容易な導入、開発、運用、管理環境を実現できる。他社の製品は、100以上の製品から必要なものを選択し、組み合わせて利用しなければならない。これは(導入から管理までが)非常に複雑だ」と、同製品の優位性について話した。

 また、BEA WebLogic Platform 7.0Jでは、運用管理やセキュリティの強化だけでなく、XMLやWebサービスによるインテグレーション環境としての機能強化、信頼性、可用性、拡張性の向上など、さまざまな機能強化も施されているという。中でもBEAが強調するのが、BEA WebLogic Workshopによる容易なWebサービスの実現だ。同製品は、VBユーザーをJ2EE Webサービスの世界に容易に移行させることを目的に開発されている。

 ディッゼン氏が、「BEA WebLogic Workshopは、現在、最もエレガントなJavaツールと言えるだろう」と胸を張る製品だ。

 同製品は、BEAが2001年7月に買収した米クロスゲインの製品を、BEA WebLogic Platform用に機能拡張したもの。クロスゲインは、マイクロソフトでXMLを担当していたアダム・ボスワース氏とレッド・チャベズ氏が2000年2月に設立したソフトウェア会社。マイクロソフトの元社員が開発しているだけに、非常に優れたユーザーインタフェースとなっていることもうなずける。

 そのほか日本BEAは、IA(インテル・アーキテクチャ)サーバ用に最適化されたJVM製品である「BEA WebLogic JRockit」の出荷を今年9月より開始することも明らかにしている。BEA WebLogic JRockitは、BEAが今年3月にスウェーデンのJVMベンダーであるアピール・バーチャルマシンを買収することで手に入れた製品。特に、64ビットItaniumプラットフォームにおける利用が期待されるという。

 同日さらに、企業ポータル市場の拡大を目的に、17社との協業を発表。BEA WebLogic Portalと連携可能なソリューション製品を提供することを明らかにしている。BEA WebLogic Portalプラットフォームと各社のポートレットを組み合わせることで、より効果的な企業ポータルを、短期間で容易に実現することができるという。

 BEA WebLogic Platformの価格は1CPU当たり1723万円より、BEA WebLogic Workshopの価格は1ライセンス当たり45万円となる。

BEAポータルソリューション製品

会社名製品名
エピファニー・ソフトウェアエピファニー スマートCRM E.6
インクトゥミ ジャパンInktomi Enterprise Search
デュオシステムズコラボラティブプロセス管理コンポーネント、CPIC Single Sign On
オートノミーAutonomy
日本ビジネスオブジェクツBusinessObjects
日本ドキュメンタムDocumentum 4i
インターウォーブン・ジャパンTeamSite/TeamPortal
ディバインdivine Content Server
ステレントStellent Content Server
RSAセキュリティRSA ClearTrust
日本ボルチモアテクノロジーズSelectAccess
ライコスジャパンB-Lycos
カナ ソフトウェアKANA Commerce Analytics
IntaDevMInt - Mobile Contents Delivery Server
アリゴAligo M-1 Mobile Application Server
クリックマークスClickmarks Enterprise Server
エブリパス・ジャパンEverypath Mobile Application Gateway

(2002年7月9日現在)

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関連リンク
▼日本BEAシステムズ
▼BEA Developer Conference 2002公式サイト

[山下竜大,ITmedia]