エンタープライズ:広告 | 2002/08/08 20:45:00 更新 |
Interview:さらなる成長のためにプリンタ/PDA市場参入を検討中とデル副社長
デスクトップPCだけでなく、サーバでも世界市場で上位にランクされる米デルコンピュータ。サーバ事業での成功に貢献したラッセル・ホルト副社長に話を聞いた。プリンタ・PDA市場への参入についても検討中としている。
デスクトップPCだけでなく、サーバでも世界市場で上位にランクされる米デルコンピュータ。その原動力になったともいわれる同社のサーバ事業担当の副社長兼ゼネラルマネジャー、ラッセル・ホルト氏の来日に伴い、インタビューを行った。
耳にはピアスが光るラッセル・ホルト副社長。
ZDNet 今回の来日の目的は何ですか?
ホルト アジア太平洋のオフショアの開発センターの視察と、顧客への対応です。日本に来ることは多く、東京の特に秋葉原が好きです。ちなみに、日本食も好きです。
ZDNet サーバの販売に関して、PowerEdgeシリーズにインストールするOSの内訳について教えてください。
ホルト 販売するサーバの中で、OSをインストールして出荷するのは全体の50%ほどです。インストールして出荷している製品については、5〜10%がNetWare、8〜12%がLinux、残りがWindowsとなっています。今後は、対応データベースやアプリケーションが増えているLinuxが増えていくと考えています。
ZDNet サーバの可用性や拡張性を考えた場合、クラスタ技術が重要と思いますが、デルの製品はどのように対応していますか?
ホルト クラスタについては、Microsoft Cluster ServerやOracle 9i RACの導入で対応しています。
ZDNet ホルトさんはデルのサーバ市場での躍進に大きく貢献したそうですが、具体的にはどのように取り組みましたか?
ホルト 企業として言えば、オープンな業界標準の製品をダイレクトモデルで販売したことが成功の秘訣です。ダイレクトであることで、顧客と直接対話できることもメリットでした。テクノロジーありきではなく、顧客が必要としているものを提供したことが最大の成功要因です。
ZDNet 個人的にはどんなことに気をつけましたか?
ホルト 何よりビジョンを持つこと、情熱を持ってサポートすることを大事にしてきました。そして、顧客のニーズを理解しながら売り上げを伸ばすこと、品質の維持とTime To Marketを意識した実行能力、コストをできるだけ抑えること、この3点に気をつけてきました。目標を達成した社員に賞状を贈ったり、食事を奢ったりすることもそうですが、組織を理解したことで、コンパックコンピュータなどと互角以上の勝負をできるようになったと考えています。
ZDNet インターネットにおけるサーバの3階層モデルについて、Webサーバなどのフロントエンド、アプリケーションサーバなどのミッドティア、データベースなどのバックエンドがありますが、今後企業のサーバ環境はどのようになると思いますか?
ホルト 企業のサーバ環境は統合化が進むと思います。デルは今後「モジュラーコンピューティング」をコンセプトに、モジュラーブレード(ブリック)やサーバブレードによって顧客のラックの最適化を図っていくつもりです。
ZDNet いわゆるブリック(レンガ)の形をしたモジュラーブレードと、刀身のサーバブレードですが、ユーザーはどう使い分けるべきですか?
ホルト サーバブレードはオンボードストレージであるため、Webサーバなどに用途は限定されてきます。そのため、データベースアプリケーションなど、ディスクアクセスが多く、よりストレージやI/Oの機能が重要になってくる場合は、モジュラーブレードを使うことになるでしょう。
ZDNet デルについて、今以上の成長は難しいのではないか(関連記事参照)とも言われおります。対応策としてプリンタやPDA市場に参入するという話も聞こえて来ますが。
ホルト まず、デスクトップ市場についてはまだ成長の余地はあると考えています。サーバについては、米国で1位、日本で2位という状況です。ストレージについては、まだシェアは5〜7%と低く、EMCとの提携も生かしながら今後も成長できると考えています。そのほか、サービスにも力を入れます。
今後は、新たな成長を実現するために、プリンタやPDA、ネットワーキングの分野に参入して、現在の倍くらいのビジネスを実現していくことも検討しています。ただし、同市場への参入については、現時点では表明しておらず、検討中の段階です。
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