エンタープライズ:ニュース | 2002/12/10 04:29:00 更新 |
インテル、HPC分野でグリッド・コンピューティングとライフ・サイエンスに注力
インテルは東京本社において、HPC分野の事業戦略に関するプレスミーティングを開催した。グリッド・コンピューティングやライフ・サイエンスに注力していることなどが明かされた。
インテルは12月9日、東京本社において、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)分野の事業戦略に関するプレスミーティングを開催した。米インテル、ワールドワイドHPCインダストリ・マネージャのリック・ハーマン氏がHPCへの取り組みについて説明した。
米インテル、ワールドワイドHPCインダストリ・マネージャのリック・ハーマン氏
まずハーマン氏が、最新トピックとして誇らしげに示したのは、IAベースの商用/汎用クラスタシステムが、世界のスーパーコンピュータランキングのTOP500に、3年前は3システムしかランクインしていなかったが、現在は56システムと大幅に増え、しかもTOP10に2つもランクインしているということ。IAベースでの最高位は米ローレンス・リバモア国立研究所の「MCR Linux Cluster」で、2304個のXeon/2.4GHzが使われている。
HPCは、かつて独自技術で作られた大型で高価なシステムの上で専用のアプリケーションが走るというものだったが、今日では汎用のハードウェアの上でミドルウェア/OSが動作し、その上にOS用のアプリケーションが走るようになった。さらに次世代には、さまざまな異なるハードウェアが接続され、リソースを共有しながら、分散型アプリケーションが走るという、グリッド・コンピューティングが主流になるという。そうしたシステムにおいては、RISCベースのシステムと比較して高いコストパフォーマンスを持つIAベースシステムこそが主流になるのだとしている。ハーマン氏はIAベースのグリッド・コンピューティングの初期事例として気象シミュレータ「TerraGrid」(米国立科学財団)やがん治療法研究(全米がん研究財団/オックスフォード大学)などを挙げ、「すでに対投資効果を生んでいる」と強調した。
グリッド・コンピューティングと並行して、インテルがHPCアプリケーションの1つとして力を入れているのがライフ・サイエンス分野だ。「ライフ・サイエンスには膨大な演算/データ処理が必要であり、大きなチャレンジが存在する」とし、ワールドワイドでライフ・サイエンス関連のイニシアティブを表明するとともに、ライフ・サイエンスおよびそれに関連するHPC事業に投資も行っているとしている。
ハーマン氏は「もはやRISCやベクタープロセッサのシステムでHPCを進めることはコストエフェクティブではない」と言い切る。「IAベースの商用/汎用システムのプライスパフォーマンスは今後も急激に高まっていく」。
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[佐々木千之,ITmedia]