エンタープライズ:ニュース 2003/01/28 13:20:00 更新


Domino DesignerのRAD環境がWebSphere Studioで利用可能に、J2EE化が一気に加速

オーランドで開幕した「Lotusphere 2003」で、IBMのLotus部門は、DominoとWebSphereのインテグレーションを加速するツールキットを発表した。事実上の「移行ツール」といえ、今後、新規に開発される多くのアプリケーションは、WebSphere StudioのJ2EE環境で構築されるようになるとみられる。

 米国時間の1月27日、フロリダ州オーランドで開幕した「Lotusphere 2003」で、IBMソフトウェアグループのLotus部門はDominoとWebSphereアプリケーションサーバのインテグレーションを加速するツールキットを発表した。これにより、Notes/DominoのRAD環境で培われたアプリケーションやデータ資産、あるいはスキルは、WebSphere StudioのJ2EE環境でも生かせることになる。

「Lotus Domino Toolkit for WebSphere Studio」と呼ばれるツールキットは、今年第2四半期にリリースされるDomino Designerの新しいバージョンにバンドルされ、J2EEアプリケーション開発ツールであるWebSphere StudioにDomino DesignerのRAD環境を持ち込むものだ。IBMソフトウェアグループのLotus部門は、長い歳月をかけながら、Notes/Dominoの開発環境をJava化してきたが、ユニークなRAD環境がWebSphere StudioのJ2EE環境でも受け継げることになった。

 JavaやXMLというオープンスタンダードベースとなる「Next Gen Mail」では、WebSphereアプリケーションサーバ上でコンポーネントを走らせ、メッセージはDB2リレーショナルデータベースに格納するもので、Tivoliのシングルサインオン機能も利用するという。Lotus製品のコラボレーション機能は、コンポーネント化やサービス化が進み、IBMのミドルウェア4ブランドとのインテグレーションも加速しそうだ。その意味でも、今回のツールキットは、事実上の「移行ツール」といえ、今後、新規に開発される多くのアプリケーションは、WebSphere StudioのJ2EE環境で構築されるようになるとみられる。

 オープニングのゼネラルセッションで行われたLotus Domino Toolkit for WebSphere Studioのデモでは、Dominoサーバ上に展開されたフォームやビュー、エージェントなどを新しいJ2EEアプリケーション上で再利用できることが強調された。実際、ステージではビューがドラッグ&ドロップでJ2EEアプリに取り込めるデモを行っている。

 IBMソフトウェアグループLotus部門でLotus製品を担当するジャネット・ホラン副社長は、Now Gen(現世代)製品とNext Gen製品を2車線のフリーウェーにたとえる。

「顧客はこれまでの資産を生かしながら、いつでも好きなときに移行できる」とホラン氏。

 しかし、今後の方向性がNext Genであることは明らかだ。ホラン氏も「追い越し車線」がNext Genであることを明言し、「既に多くのクルマがNext Genのレーンを走っている」と話した。

 Lotus Domino Toolkit for WebSphere Studioのベータ版は、Webサイトからダウンロードできる。最終版は、第2四半期にDomino Designerの将来バージョンにバンドルされる予定だ。

関連記事
▼いよいよJ2EEベースの「Next Gen」がLotusphereの主役に踊り出た
▼Lotusphere 2003 Orlando Report

[浅井英二,ITmedia]