エンタープライズ:ニュース 2003/02/28 19:30:00 更新


「業界はネットワークストレージを求めている」とファルコンストアCEO

ストレージ統合を基盤に、ビジネス継続やディザスタリカバリといったさまざまな機能を提供するファルコンストアの「IPStor」。製品の根底には、ネットワークストレージサービスを実現する基本思想があると、同社CEOのレイジェン・フーアイ氏は述べている。

「ストレージメディアの価格は下落を続け、一方でそのキャパシティは高まっている。つまり顧客は、ますます多くのストレージ容量を利用できるようになったということだ。ここにおいて業界は、新しく、革新的なアーキテクチャを見つける必要に迫られている」(米ファルコンストア・ソフトウェアのCEO兼社長、レイジェン・フーアイ氏)。

 というのも、既存の手法に沿ったバックアップシステムでは、増加する一方のキャパシティに間に合わないからだ。フーアイ氏は、その答えを「ネットワークをベースとしたストレージ」に求める。そしてファルコンストアこそ、この分野におけるパイオニアだという。

 同氏言うところの「ネットワークストレージ」を実現するのが、ファルコンストアの主力製品でもある「IPStor」だ。だが、このソフトウェアを一言で説明するのは難しい。ダウンタイムの削減とビジネス継続、アプリケーションに合わせたストレージプロビジョニングやディザスタリカバリ、さらにはバックアップやリカバリの高速化、といった数々の機能を実現するからだ。その意味で、単なる仮想化機能だけを提供する他のストレージベンダーとも異なるとフーアイ氏は述べる。「われわれは、ホストベースのストレージではなく、ネットワークストレージサービスのためのスイートを提供している」(同氏)。

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「常にアプリケーションを意識した機能を提供しているし、ストレージとは不可分の関係にあるセキュリティについても、認証や暗号化などの機能を提供している」というフーアイ氏

 中でもIPStorの中核をなすのが、統合(コンソリデーション)機能だ。「TCOの削減において最も大事な方法が、ストレージの統合だ。IPStorは最初から、ストレージ統合を支援するように設計されている」とフーアイ氏は言う。

 同氏によれば、IPStorにはもう1つの特徴がある。ソフトウェアベースの製品であるがゆえの、幅広いインタフェースのサポートだ。ファイバチャネルはもちろん、NASで利用されている主要なファイルシステムやiSCSIにも対応する。「われわれの製品は、さまざまなものを抽象化して貼り合わせることのできる魔法の“のり”のようなものだ。ストレージの世界に存在するさまざまな違いや複雑性を吸収する」(フーアイ氏)。

 今後もファルコンストアは、その基本方針を踏襲し、特許技術を活用しながら、さらなるパフォーマンスと拡張性の実現、接続性の向上などに努めていくという。特にビジネス継続の観点からは、ストレージのみならず、アプリケーションまでを含んだ垂直統合型の機能を提供し、業界に先んじていきたいとしている。

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[高橋睦美,ITmedia]