エンタープライズ:ニュース 2003/03/05 08:46:00 更新


基調講演:BEAとの協業でRISC陣営を引き離しにかかるインテル

「BEA eWorld 2003」カンファレンス2日目の基調講演にインテルのジョン・デービス副社長が登場した。インテルとBEAは2001年7月、IA向けにWebLogicを最適化することを発表して以来、盟友関係にある。XeonサーバとWebLogicの組み合わせは、性能面でもRISC陣営を凌駕する。

 米国時間の3月4日、フロリダ州オーランドで開催されている「BEA eWorld 2003」カンファレンス2日目の基調講演にインテルのジョン・デービス副社長が登場した。デービス氏は、パートナーらとのアライアンスを通じてソリューションを整備する組織を率いている。

davies01.jpg

インテルはHPと並び、eWorldの「ダイヤモンドスポンサー」を務めた


 インテルとBEAシステムズは2001年7月、インテルプロセッサ向けにBEA WebLogicソフトウェアを最適化することを発表、BEAが2002年2月にスウェーデンのアピール・バーチャルマシンを買収し、JVMであるJRockitを手に入れると、その最適化に共同で取り組んでいる。この2月中旬には、ヒューレット・パッカードとBEAが、Itanium 2搭載サーバにWebLogic Platformを最適化することを明らかにしたばかりだ。

 エンタープライズコンピューティングでもインテルアーキテクチャ(IA)による標準化を狙う同社は、32ビットのXeonや64ビットのItnaium 2を投入するとともに、OSベンダーやミドルウェアベンダーらのリクルートに力を注いでいる。主要なOSとしては、Windows、Linux、HP-UXがインテルプロセッサをサポートし、ミドルウェアではBEAやオラクルの支持をしっかりと取り付けている。

 2ウェイ以上のサーバ台数では、既にインテルアーキテクチャがRISC陣営の5倍以上となっているが、IDCの予測によれば、2006年になるとIAサーバは600万台に上り、約10倍へとその差が広がるという。

 インテルアーキテクチャが誇示するのは、ボリュームだけではない。現行のJRockit 8.0を4ウェイXeon MP/2.0GHzサーバ(Dell PowerEdge 6650)で走らせた業界最速記録、76.1 SPECjbb2000 K ops/secondは、1.25GHzのAlphaプロセッサを4基搭載したHP AlphaServer ES45のそれを35%も上回っている。

「既に2.8GHzで動作するXeonがあり、近く3GHzを超えていく。RISC陣営との差はさらに広がる」とデービス氏。

 eWorldカンファレンスの初日、HPのカーリー・フィオリナCEOとBEAのアルフレッド・チュアングCEOはどちらも「高いROI(Return on Investment)の提供」を約束した。もともと価格面で優位なIAサーバが、JVMやミドルウェアの最適化によって性能面でもRISC陣営を凌駕すれば、顧客らは導入にためらうことはない。

 4ウェイXeon MP×6ノードとWebLogic Server 7.0(JRockit)によるパフォーマンス評価を実施したバンク・オブ・ニューヨークをはじめ、韓国および中国の名だたる大企業がIAサーバの採用に踏み切っているという。

 HPのフィオリナ氏の言葉と同様、インテルが「高いROIの提供」を武器に企業のデータセンター市場に食い込むには、BEAとの協業が極めて重要なのだ。

関連記事
▼BEA eWorld開幕、「過去」を生かし「未来」をもたらすBEA WebLogic Platform 8.1発表
▼基調講演:「HP、インテル、そしてBEAはCIOのベストフレンド」とフィオリナCEO
▼BEA eWorld 2003 Report

[浅井英二,ITmedia]