エンタープライズ:ニュース 2003/03/14 16:13:00 更新


ベリタス、主要なストレージソフトをLinux対応に

ベリタスソフトウェアは、データ保護を実現するバックアップ製品「VERITAS NetBackup」をはじめとする主要なストレージ関連製品をLinux対応としていく。これを梃子に、エンタープライズシステムでのLinux浸透を支援する考えだ。

 ベリタスソフトウェア(ベリタス)は3月14日、データ保護を実現するバックアップ製品「VERITAS NetBackup」をはじめとする主要なストレージ関連製品を、Linuxに対応させる方針を明らかにした。

 ベリタスは今年2月に、ヘテロジニアスなストレージ管理の実現を目指し、WindowsのみならずSolarisなどあらゆるプラットフォームに製品を対応させていく戦略を打ち出している。今回の発表はその一環でもある。

 米国では昨年7月より、Linux対応製品群が投入されている。日本での動きは、これから半年以上遅れたことになるが、同社代表取締役社長の木村氏は「国内では今まさに、ミッションクリティカルな環境にLinuxが入ろうとしているところ」と述べ、決してタイミングは遅くはなく、むしろ適切だとした。

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 まず第一弾として、ボリューム管理ツールとジャーナルファイルシステムを統合した「VERITAS Foundation Suite」を4月14日より出荷する。価格は1CPU当たり24万8000円からで、RedHat Linux Advanced Server 2.1に対応している。ベリタスでは続いて、バックアップ製品「VERITAS NetBackup」やクラスタリングを実現する「VERITAS Cluster Server」のLinux対応版を、第2四半期以降出荷していく予定だ。

 ベリタスでは、その後もラインナップの強化に務めるという。具体的には、SAN管理ソフトウェア「SANPoint Control」や遠隔レプリケーションを通じてディザスタリカバリを実現する「Volume Replicator」、さらにOracle9i Real Application Clusterに特化したストレージ管理ソリューション「VERITAS Database Edition /Advanced Cluster for Oracle」などのLinux版もリリースしていく計画だ。

 なお、当面対応するLinuxディストリビューションはRedHat Linux Advanced Serverのみだが、「これはあくまで第一ステップ」(木村氏)。順次、他のLinuxディストリビューションにもサポートを広げていく方針だ。

 米ベリタスソフトウェアでLinux戦略担当ディレクターを務めるラナジット・ネバティア氏によると、米国ではある大手金融機関が、Linuxをベースとしたハイアベイラビリティシステムの構築に着手しているという。既存のシステムにLinuxを追加するとなると、システムの複雑化に対処する必要があるだけでなく、ノウハウの習得や人材トレーニングなどがネックとなるが、「Linux版の操作インタフェースは、Windows版やSolaris版など他のプラットフォーム向けの製品と変わらず、スムーズに利用できる。このため人材育成も容易だ」とネバティア氏は述べている。

 また日本でも、こうしたノウハウを蓄積した米国本社側のリソースを活用するだけでなく、社内のLinux向けリソースの強化、およびLinuxに強みを持つパートナーとの連携を通じて、ミッションクリティカルなシステムを支えるプラットフォームとしてのLinuxを支援していくという。

「ベリタスでは、ヘテロジニアス環境でのストレージ管理を重視している。主要な製品群をLinux対応とすることで、Linuxを基盤としたITインフラの信頼性、安定性を向上させ、エンタープライズにおけるLinuxの浸透を加速させていきたい」(木村氏)。

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[高橋睦美,ITmedia]