エンタープライズ:ニュース | 2003/06/11 20:39:00 更新 |
基調講演:PeopleSoftとの合併は最上の組み合わせと7000人超の聴衆にアピール
デンバーで開催中の「QUEST GLOBAL 2002」において、デュカウスキーCEOが基調講演に登場。J.D.EdwardsとPeopleSoftの合併は互いにとって最上の組み合わせであるとし、その根拠について説明した。
コロラド州デンバーのColorado Convention Centerで開催中のJ.D.Edwards年次カンファレンス「QUEST GLOBAL 2002」において6月10日、会長兼社長兼CEOのロバート・デュカウスキー氏によるオープニングキーノートセッションが行われた。
デュカウスキー氏は、広い会場を埋めつくした7000人を超える顧客に対し、PeopleSoftとJ.D.Edwardsの相性の良さや、合併によって得られるメリットや意義を熱っぽく語った。
「今日は“変化”についてお話しする」と切り出したデュカウスキー氏が最初に示したのは、このQUEST GLOBAL 2003の初期のプログラムだった。その基調講演の項目にはデュカウスキー氏の名前はない。急遽変更されたのはもちろん、6月2日のPeopleSoftによるJ.D.Edwards買収発表のためだ。
「必要なのは顧客の視点」というデュカウスキー氏は、自社を買収する形になるPeopleSoftを「企業規模、資本の状況、製品群、企業文化など、どれをとってもJ.D.Edwardsにとってベストのパートナー」と評した。
デュカウスキー氏が合併の理由としてまず最初に上げたのは、規模の拡大だ。合併後のPeopleSoftは、年間売り上げ28億ドル、顧客数1万1000社、従業員1万3000人、SAPに次ぐ世界第2位のエンタープライズアプリケーションベンダーになる。企業規模が拡大することによって、より多くの製品開発投資、より広い製品の適用範囲、より多くの対応プラットフォーム、より多くの言語への対応、より良いサポートなどが提供できるようになるという。
このほか合併で提供できるものとして、最上のラージエンタープライズ向けとミッドマーケットソリューション、金融から政府、工業、不動産、ヘルスケア、ライフサイエンスなどなど、多岐にわたるソリューションと専門知識、拡張される製品ラインアップも挙げられた。そして「両社は顧客にフォーカスするという共通の企業文化を持っている。これが合わさることで“1+1=3”になる」とぶち上げた。
ここで、もう一方の当事者であるPeopleSoftの社長兼CEOクレイグ・コンウェイ氏のビデオメッセージが流された。
コンウェイ氏の主張も「両社はいろいろな点で似ている。J.D.Edwardsはミッドマーケットのリーダーであり、PeopleSoftはラージエンタープライズで成功している。これが1つになることで、もっと多くの製品群、よりよいサポートなど、より多くのものが提供できるようになる」と、デュカウスキー氏とほぼ同じものだった。
コンウェイ氏は合併後の製品ラインアップについて、PeopleSoftが提供しているラージエンタープライズ向け製品、J.D.Edwardsが提供しているミッドマーケット向け製品とAS/400向け製品をすべて継続し、3種類のラインアップを提供していくとした。
コンウェイ氏のビデオメッセージを受けたデュカウスキー氏は、コンウェイ氏がいくつか挙げたポイントはJ.D.Edwardsのこれまでの戦略と一致し、さらにそれらを強化するものだと改めて述べた。
また、ここで初めてOracleによるPeopleSoftの買収提案の話題に触れ、「エリソン氏は『PeopleSoftの買収後、PeopleSoftのすべての製品を終了させ、Oracle製品に移行させる』と言っている。これでは顧客はこれまでの投資や知識、リソースをすべて放棄することになってしまう」と述べ、PeopleSoftとJ.D.Edwardsの合併が、顧客により多くの選択肢を提供するということとの違いを指摘した。
デュカウスキー氏は聴衆にこう訴えて締めくくった。「J.D.Edwardsを選んだ皆さん。それは正しい選択です。我々の未来は輝いています。PeopleSoftとJ.D.Edwardsの合併はIT業界のランドスケープを変える力を持っています。現在のような変化の激しい時代、あなた方とあなた方のビジネスを強くするのはJ.D.Edwardsです」
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J.D.Edwards
日本ジェイ・ディ・エドワーズ
[佐々木千之,ITmedia]