エンタープライズ:インタビュー 2003/06/16 12:54:00 更新


Interview:RADからアプリライフサイクル全般へソリューションを拡大するBorland

懐かしい顔がJavaOneカンファレンスに帰ってきた。かつてSunでJavaOneの立ち上げを担当したパオリーニ氏だ。彼は今、Borlandの副社長として、Javaビジネス部門を率いている。買収によって、アプリケーションライフサイクル管理へとソリューションを拡大する同社の戦略をパオリーニ氏に聞いた。

かつてSun Microsystemsでマーケティングを担当し、JavaOneカンファレンスの立ち上げに関わったジョージ・パオリーニ氏が再びJavaOneに戻ってきた。彼は今年1月、Javaビジネス部門担当副社長兼GMとしてBorlandに迎えられた。昨年秋に同社が相次いで発表したStarbaseおよびTogetherSoftの買収も彼の入社に合わせるかのように完了している。RADツールからエンドツーエンドのアプリケーションライフサイクル管理へとソリューションを拡大するBorlandの戦略をパオリーニ氏に聞いた。

paolini.jpg

Sunでの8年間、Java関連構想の立ち上げの多くに関与したパオリーニ氏


ZDNet あなたはSunでマーケティング担当副社長を務め、特にJavaOneカンファレンスの立ち上げに関わっていました。先ず、今年のJavaOneについて感想を聞かせてください。

パオリーニ 確かに2000年をピークにJavaOneの参加者は減少しています。かつて会場は人の波で大混雑でしたが、むしろ今回の方がライトサイジングだと思っています。

 それでも、ボーランドのブースには、多くのデベロッパーらが訪れており、行列まで出来ています。われわれが、ナンバーワンのJavaツールカンパニーとして支持されている証拠だと思います。

ZDNet Javaデベロッパーコミュニティーに対するボーランドの役割は何だと思いますか。

パオリーニ JBuilderは、それ自体が100% Pure Javaで書かれており、(ライセンス数が150万を超え、)最も成功しているショーケースといえます。

 さらに、今回のJavaOneでは、単なる開発工程のツールだけでなく、「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「配備」といった一連のアプリケーションライフサイクルを効率的に管理するソリューションを紹介し、企業のニーズにこたえようとしています。

 今、ソフトウェア開発の現場は激しく変化しています。ボーランドはかつて「RAD」(Rapid Application Development)にフォーカスしていたわけですが、それはアプリケーションライフサイクル管理(ALM)の一部に過ぎません。

 われわれのALMソリューションでは、先ず「CaliberRM」で要件を洗い出し、プロジェクトの目的を定めます。次に「Together Edition for JBuilder」によって、UMLベースのモデリングで要件をビジュアライズします。

ZDNet そうしたツールは、買収によって補完したものですか。

パオリーニ はい。われわれは昨年秋、StarbaseやTogetherSoftの買収を発表し、1月に完了しました。そして、早くも2月にはALMソリューションの最初の成果として、Together Edition for JBuilderを発表できました。

 こうした要件定義やモデリングが、開発以降の工程と統合されることの重要さは、あなたが家を建てるときを考えてもらえば分かります。依頼主としては、クギを打つ位置がどうの、というよりは、キッチンやバスルームの配置や広さが気になるわけです。現在では、建築士がビジュアルなパース図を使って依頼主と打ち合わせをすることが多くなっていますね。コミュニケーションが取りやすく、依頼主の希望を吸い上げやすいからです。

 今回のJavaOneではさらに、Starbase買収によって獲得したCaliberRMと、ソフトウェア構成管理のためのStarTeamで多言語対応したことを発表しています。

 かつては、要求定義が終わるとその情報が設計分析に渡され、そのあと開発、テストと続き、そのコミュニケーションは一方通行でした。Starbaseのツールを統合することで、リポジトリを核として例えば、ソースコードとモデリングを行ったり来たりできます。

 11月か12月に予定されている次期バージョンでは、旧Starbaseおよび旧TogetherSoftの製品がさらに緊密に統合されることになっています。

ZDNet BEA SystemsのWebLogic WorkshopSun MicrosystemsのProject Raveなど、Javaアプリケーション開発の簡素化を狙うツールが出始めています。ソフトウェア開発の分野で何が起こっているのでしょうか?

パオリーニ J2EEは機能がとても充実してきましたが、それに伴い開発が難しくなっています。そこでWebサービスでラッピングされたコンポーネントを組み合わせることで開発を簡素化しようという動きがあります。

 しかし、企業では要件を洗い出し、設計分析し、開発工程と整合性を取っていく必要があります。開発工程の簡素化は、アプリケーションライフサイクル全般の迅速化やTCO削減の一つのピースに過ぎません。

ZDNet ボーランドには.NET向けのソリューションもあります。.NET世界との連携はどのように図っていくのでしょうか。

パオリーニ 先ず、われわれは、Java製品ラインと同様、.NET向けにもアプリケーションライフサイクル全般をカバーするソリューションを提供していきます。

 そして、2つの世界は、Webサービスで相互運用性を確保していくのが基本なのですが、実際には未成熟で難しいのが現状です。そこでボーランドでは、「Janeva」を5月に発表しました。これを利用することで、例えばBorland C# Builderで書かれた.NETオブジェクトがラッピングされ、Java RMI(Remote Method Invocation)を介してEnterprise JavaBeansコンポーネントと連携できるようになります。

関連記事
▼Borland、多言語データに対応の「CaliberRM 5.3」などを発売
▼基調講演:ベールを脱ぐ「Project Rave」、Javaデベロッパーを1000万人へ
▼BEAが先制パンチ、J2EE開発を簡素化するWebLogic Workshopの実績をアピール
▼ボーランドがJavaと.Netに対応した開発ツール「Janeva」を発表
▼選択肢の提供やライフサイクル全体の統合を目指すボーランド

[聞き手:浅井英二,ITmedia]



Special

- PR -

Special

- PR -