エンタープライズ:ニュース 2003/06/27 22:52:00 更新


デル、コンサル部門のエンタープライズ戦略とWindows Server 2003の導入事例を説明

デルコンピュータは6月27日、コンサルティングサービスを提供している「デル・テクノロジー・コンサルティング(DTC)」のエンタープライズ分野における取り組みと、コンサルティングによる導入事例の説明会を開催した。

 デル・テクノロジー・コンサルティング(DTC)事業部長の紙屋 滋氏は、「世界市場の動向から見ても、現在は標準技術への移行が加速している。エンタープライズサーバにおいても、UNIXあるいは独自OSから標準OS(Windows/Linux)へのシフトが進んでおり、われわれもこの動向に追随していく」との方針を明言した。今後のエンタープライズ向け戦略としては、とくにデシジョンサポートやビジネスプロセッシングといった分野において、IAアーキテクチャを基軸とした展開に注力するという。

紙屋 滋氏

「UNIXからLinuxあるいはWindowsへのリプレースを進めていく」とDTC事業部長の紙屋 滋氏


 DTCはe-ビジネスコンサルティングやHPCCコンサルティングなど、おもに大企業向けのコンサルティングサービスを中心に提供している。紙屋氏は、今後もそのサービスはコンサルティングファームのような包括的なものではなく、あくまでITシステムの最適化といった視点から行っていくべきだとの考えを示した。今回の説明会では、このところ注目されているIAサーバを使ったHPCCソリューションの事例(世界市場でDellは第一位だという)や、PowerEdgeサーバとDell|EMCストレージによるディザスタリカバリーシステムの導入事例などが各コンサルタントによって紹介されている。

 Windowsベースのシステム導入事例では、SAP/R3環境の構築例や、NTからの移行によるWindows Server 2003の利用例が紹介された。なぜWindowsシステムが選択されるのかについては、優れたコストパフォーマンス、柔軟な拡張性、運用の容易さなどを挙げ、とくにUNIXからのマイグレーションでは高い投資効果が得られるという。

マイグレーション効果

UNIXからWindowsへのマイグレーションで、大幅なパフォーマンス向上が期待できる(SAP事例から)


 Windows Server 2003の導入事例は、DTC事業部の堀川嘉朗氏によって説明が行われた。ワールドワイドで展開している大手情報関連機器製造メーカーのプロジェクト、NT 4.0およびExchange 5.5からWindows Server 2003/Exchange Server 2003へというシステム構築の事例だ。

堀川嘉朗氏

DTC事業部の堀川嘉朗氏。「Windows Server 2003への移行を積極的に進めていく」


 WindowsやLinuxといったプラットフォームの選択には、やはり投資対効果や柔軟性/拡張性といった側面が重要視されている。Windows Server 2003の採用について堀川氏は、マイクロソフトの長期的なロードマップの中でもWindows Server 2003はその位置付けがはっきりしており、新技術による今後の機能的な拡張についても見通しが可能という点を指摘した。

 現在このシステム構築プロジェクトは進行中とのことで、今後はVSS(ボリューム・シャドーコピー・サービス)など新機能の検証をマイクロソフトやEMCと共同で行っていき、合わせてSharePoint Portal Server/Windows SharePoint Servicesによる情報共有プラットフォームの実現も視野に検討を行っていくという。

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[柿沼雄一郎,ITmedia]