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2003/08/22 18:40 更新


キーワード:オフショア開発

オフショア開発:企業のシステム開発などを海外の安価な労働コストを利用したアウトソーシングサービスに任せること。特に、オフショア開発を手掛けるインドや中国の企業に注目が集まっている。ターゲット分野はシステム開発に限らず、運用管理サービスや、アプリケーション管理サービスなどにも広がる。

 アプリケーション管理サービスは、ビジネス向けソフトウェアの管理を意味し、バグの修正やアップグレード、インストールといった作業も含む。さらに、顧客への請求やコールセンター業務の処理といたビジネスプロセスのアウトソーシングや、ITインフラ管理の分野にも展開されている。

メリット

 アウトソーシングによりインドや中国の労働力を利用するため、同じ内容を米国や日本の企業が国内で行うよりも低コストで実現することができる。

デメリットなど

 システムの開発や運用を海外に委託することになるため、委託者と受託者との間でのコミュニケーションが問題になることがある。

 例えば、日本企業が設計したシステム仕様書に基づいた開発を、オフショア開発の受託企業に依頼したときに、実際に出来上がったプログラムやサービスの内容が仕様とは異なっているなどのケース。これは、仕様の伝達が電子メールや電話を使って行われるために、微妙なニュアンスを伝えきれないことなどが原因として考えられる。

 こうした問題を解決するために、例えば、システムのモデリング手法であるUML(Unified Modeling Language)が注目されている。

 UMLはオブジェクト指向のソフトウェアの構造を抽象化し、記号を用いることで統一した形で構造的に表記するもの。これにより、一般的なシステム仕様書に発生する手書きによる曖昧さなどを排除することができる。また、英語や日本語といった言語への習熟度の違いによって、担当者ごとに仕様書への理解度がアンバランスになることなども避けることができる。

業界動向など

 インド企業では、InfosysやWiproなどが知られる。また、IBMやEDS、Hewlett-Packard などの米国系の企業も海外に拠点を置き始めている。また、ロシアやカナダの企業もインドに続いてオフショア市場への参入を進めている。

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[怒賀新也,ITmedia]

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