エンタープライズ:ニュース 2003/10/08 08:38:00 更新


「ギガビットへの需要は高い」、日本HPがネットワーク製品群を強化

日本ヒューレット・パッカードは、ギガビットイーサネットへの対応を中心に、企業向けネットワーク機器群「HP ProCurve Networking」のラインアップを強化した。

 日本ヒューレット・パッカードは10月7日、企業向けネットワーク機器群「HP ProCurve Networking」のラインアップを強化した。

 HP ProCurveは、導入コストのみならず、ライフサイクル全般にわたるコストパフォーマンスの良さを特徴に、日本HPが展開しているネットワーク機器群。セキュリティとモビリティ、コンバージェンスという3つの要素を提供するという同社の「Adaptive Edge Architecture」戦略に沿ったもので、レイヤ2スイッチ、レイヤ3スイッチのほか、無線LANアクセスポイントなどが含まれている。

 今回の新ラインアップでは、ギガビットイーサネットへの対応が強化されたことが最大の特徴だ。1Uサイズのきょう体に高い密度でギガビットイーサネットを搭載した「HP ProCurve Switch 2800シリーズ」を発表したほか、既存の「HP ProCurve Switch 5300シリーズ」「同4100シリーズ」に搭載可能なギガビットモジュールが追加された。

 こうした製品を投入する背景について、同社のプロカーブ ネットワーキング ビジネス担当マーケティング マネジャー、中島将博氏は、「ギガビットへの需要は今、とても高まっている。というのも、データ解析やCAD、あるいは動画編集や大量のデータストレージといった用途で、利用されるデータの量が増加しているからだ」と言う。そして、バックボーンのほか、サーバ/ワークステーションやクライアントPC側は、ギガビットに対する準備ができてきたのに対し、非ギガビットのまま残された領域が、ネットワークエッジ――つまりスイッチの部分だという。

 「ギガビット対応の手ごろな価格のスイッチを投入することによって、この流れを一気に加速し、身近なところでギガのパフォーマンスを実現していく」(中島氏)。

 新製品のHP ProCurve Switch 2800シリーズは、コンパクトな1Uサイズのきょう体にギガビットイーサネットを搭載したスタッカブルスイッチ。10/100/1000BASE-Tを20ポート、miniGBICもしくは10/100/1000BASE-Tを4ポート備えた「HP ProCurve Switch 2824」と、10/100/1000BASE-Tの数が44ポートになった「HP ProCurve Switch 2848」の2種類があり、価格は60万円からとなっている。

 また、既存のHP ProCurve Switch 5300シリーズ/同4100シリーズ向けに、それぞれギガビットモジュールを追加している。5300シリーズ向けには、10/100/1000BASE-Tを16ポート、miniGBICを2ポート搭載したモジュールを、また4100シリーズ向けには、10/100/1000BASE-Tを20ポート、miniGBICを2ポート搭載したモジュールを提供。この結果、例えば新たにリリースされた4100シリーズのギガビットモデルでは、1つのきょう体で最大160個のギガビットイーサネットを収容できることになる。これらモジュールは12月下旬の提供となり、価格は4100シリーズ向けモジュールが60万円から、5300シリーズ用は70万円から。

 これら機器が収容したギガビットのコネクションは、企業バックボーンなどに接続されることになる。ここでは、最大4コネクションのトランキングによって帯域を拡張できるほか、10ギガビットイーサネット対応の新モジュールが追加されたハイエンドスイッチ「HP ProCurve Switch 9300シリーズ」などが利用できる。

 同社の説明によると、ちょっとしたレイアウト変更などの案件はともかく、基幹ネットワークの全面刷新ともなればギガビットイーサネットは必須要件になりつつあるという。その中で日本HPは、多機能だがプロプライエタリな製品を展開する代わりに、必要十分な機能を備えたネットワーク機器をリーズナブルな価格で提供していくという。

 なお同社では一連の発表に合わせ、無線LANアクセスポイント「HP ProCurve Wireless Access Point 420WW」を追加したほか、一連のネットワーク機器を管理するソフトウェア「HP ProCurve Manager」をリリースしている。

 うち後者は、ネットワーク機器の自動検出とマッピング、障害時のアラートといった機能を提供する簡易な管理ツールで、これまで「TopTools」の名称で提供されていたもの。アーキテクチャを一新し、無線LAN機器への対応などを図ったのを機に名称を変更し、管理型のHP ProCurveスイッチにバンドルする形で提供される。将来的には、トラフィック管理やポリシー管理、VLAN管理といった機能を追加した有償版の提供も予定しているという。

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▼日本ヒューレット・パッカード(HP ProCurve Networking)

[高橋睦美,ITmedia]