エンタープライズ:ケーススタディ | 2003/10/13 03:09:00 更新 |
IT People:技術者は常にユーザーのニーズを意識すべき
バックエンドやフロントエンドのシステムにモバイル端末からアクセスするためのソフトウェアを提供するエブリパス・ジャパンの東氏に話を聞いた。
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過去
大学卒業後は富士通系企業のPFUに入社。ソフトウェア開発を手がけたという。その後、バーン・ジャパン、日本オラクルと渡り歩いた。
ZDNet ソフトウェア開発者として長く仕事をして思うことは?
東 現在は顧客と直接話せるために気づいたことですが、周りに開発者しかいない環境に慣れると、どうしても技術者同士の共通の話題しかなく、エンドユーザーである顧客からの視点が見えない状況でした。
また、顧客と話をするときは、会話を整理してアクションを起こさないと、「約束が違う」などと苦情が来てしまうため、細かいレベルで記録を取るようにしています。
現在
オラクルを退職後、1年3カ月前にエブリパス・ジャパンに転籍。カスタマイズからコンサルティングを含めて、顧客にシステムを導入している。同社は、1988年に米カリフォルニア州サンタクララに設立されたEverypathの日本法人。モバイルアプリケーション向けソフトウェアの開発、販売を行っている。
ZDNet エブリパス・ジャパンが提供する製品について教えてください。
東 主力製品はEverypath Mobile Application Gatewayです。これは、ERPやSFAシステム、データベース、Webアプリケーションサーバなどさまざまなソースのデータに、携帯電話やPDAなどのモバイル端末からアクセスできるようにする製品です。
例えば、オンライン証券会社のDLJディレクトのPDAによる取引サービスや、製造業やヘルスケア業界のSFAシステムへのPDAからのアクセスなどに利用されています。また、流通業における在庫確認業務にも使われています。
ZDNet 今後どのようなことをやっていきたいですか?
東 これまで紙ベースで行っていた作業も、ソフトウェアとモバイル環境を活用することで、例えば、マーケティング効果がリアルタイムで分かるようになります。自社の製品を使って、移動するビジネスマンをサポートしていきたいです。
注目の技術
「WakeOnやGPSです。WakeOnは、携帯電話やPHSの電源を切っていたとしても、再度電源を入れたときにその間に届いたメールなどがアラートとして飛んでくる技術です。今では珍しい技術ではありませんが、NTTドコモなども、これを利用したサービスを企業向けに提供しようとしています。」
ITに関わっていて楽しいと思うとき
「何もないところから、コーディングをすることでモノが生まれることです。これには、昔から不思議な感覚を覚えていました。」
ITに関わっていてやめたいと思うとき
「自分が自信を持って顧客に見せたものへの反応が薄かったとき。例えば、顧客向けのプレゼン資料を苦労して作ったのに顧客が無反応だと、自社の営業担当者に“本当に要件を聞いたのか”などと食ってかかりたくなることがあります。実際にやったことはまだありませんが。」
最近考えていること
「フレキシビリティとユーザビリティについて考えています。いくらいい製品でも、使う側に知識や技能がないと、使いこなせないことがあります。自動車の運転に例えれば、マニュアルとオートマ車の両方の長所を共存させることへの試みとでも表現できるかもしれません。柔軟性と操作性を高いレベルでバランスさせていくという意味です。」
趣味、息抜き
「息抜きにはテニスをしています。また会社には自宅のある南砂から神谷町まで自転車で通勤しています。通る道が毎日なぜか違うのを新鮮に感じています。」
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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]