エンタープライズ:ニュース 2003/12/10 07:55:00 更新


センドメールがスパム対策機能を強化、3ステップで分類とブロックを実現

センドメールが、3ステップでスパムをブロックする「Sendmail Mainstream Anti-spam Solution 2.0」(MAS 2.0)を発表した。

 オープンソースのメールサーバとして広くインターネットで利用されてきたSendmail。そのSendmailをベースに、より大規模なシステム向けのメールシステム「Sendmail Switch」を開発してきたセンドメールが、12月9日、新たにスパム対策ソリューション「Sendmail Mainstream Anti-spam Solution 2.0」(MAS 2.0)を発表した。

 同社はこれまでも、「メール・セキュリティ・ソリューション」を通じてスパムメールのフィルタリング機能を提供してきた。このたびリリースされたMAS 2.0は、合わせて発表されたサーバサイドのフィルタリングソフト「Sendmail Intelligent Inbox」などを組み合わせてその機能を強化したもの。3段階の検査を通じて精度の高いスパムメール検出を実現するという。

 こうした製品を投入した背景には、「日本でも来年には、スパム問題が山場を迎えることになるだろう」という同社の予測がある。しかも、スパム対策には決め手がないのが実情。ゆえに「複数の優れた手法を組み合わせていくことが重要」(同社)という。

 MAS 2.0の場合、まず最初のステップでは、Sendmail Switchに組み込まれている「FlowControl Filter」によって、メール流量全体を監視する。自ドメイン向けに無差別にメールを送り込んでくる「アドレスハーベスティング」を防ぐほか、特定のドメインから大量にメールが流れ込んでくる場合のブロックが可能だ。また、RBL(Realtime Blackhole List)を用いたフィルタリングや送信元のDNSチェックなども行える。

 次は、アンチスパムエンジンによるフィルタリングである。ここではベイジアン分析に基づく米Cloudmarkのエンジンを用いてメール本文を分析。そのメールがどれだけスパムらしいかを数値化し、格付けして、その情報をヘッダーに埋め込む。

 最後はSendmail Intelligent Inboxが備えるアンチスパム機能だ。先のステップで埋め込まれたヘッダー情報を元に、当該メールの振り分けや削除といった操作を行う。ここでは、ユーザー個別のホワイトリスト/ブラックリスト設定も可能だ。

 なおSendmail Intelligent Inboxでは、スパム以外にもさまざまなフィルタリング作業が行える。企業サイト全体だけでなくドメイン、ユーザーごとにルールのカスタマイズが可能となっており、時刻に応じた処理もサポート。これを活用することで、「スパムをブロックするだけでなく、複数のメールボックスを利用しているユーザーの生産性向上を支援できる」(同社)という。

 MAS 2.0およびIntelligent InboxはRed Hat Linux、SuSE Linux、MIRACLE LinuxおよびSolarisに対応。価格はオープンプライスとなっており、同日より販売が開始されている。

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[高橋睦美,ITmedia]