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2004/02/05 04:09:00 更新


VoIPは業務プロセスを変える――沖電気「IPstage SS9100」の狙い

沖電気工業が2月4日にリリースしたIPテレフォニーサーバの新製品「IP CONVERGENCE Server IPstage SS9100」は、単に通信コストを削減するだけでなく、業務プロセスの改善を支援するという。

 「これまでのVoIPは“通信コストの削減”ということばかりを言ってきた。けれどもネットワークの価格がこれだけ下がった今、コスト削減ももう限界に近い。今回リリースしたIPstage SS9100は、企業の業務プロセスを変え、生産性を向上させるという意味で、新世代のVoIPだ」(沖電気工業IPソリューションカンパニー、IPシステム企画開発本部IP規格開発第三部部長の丸井武士氏)。

 沖電気工業(沖電気)は2月4日、IPテレフォニーサーバの新製品「IP CONVERGENCE Server IPstage SS9100」(IPstage SS9100)をリリースした(別記事参照)。PBXの機能をIPネットワーク上で実現するだけでなく、Microsoft .NETのインタフェースを備えることにより、ERPやSCM、CRM、さらにはナレッジベースやポータルといった基幹業務アプリケーションと連携させることができる。

 同社は、設計や生産、物流、販売といった各業務プロセスにおいて、情報の壁を取り払うのが一連の業務アプリケーションならば、コミュニケーションの壁をなくすのがIPstage SS9100だと説明している。その時々の相手のプレゼンス(状態)に応じ、適切な形でスムーズに業務連絡を行えるようになり、これは結果として業務全体のリードタイム短縮につながるというわけだ。

 沖電気はまた、マイクロソフトとの協業をいっそう強化していく方針も明らかにした。両社はこれまでもVoIP分野で提携関係にあったが、今後は米Microsoftの技術協力も得て「Windows Telephony Study Group」を立ち上げ、基幹業務アプリケーション連携システムに要求される信頼性や性能、セキュリティの向上を目指すという。

 同時に、双方のパートナーを広く巻き込んでの検証作業も進めていく。既にマイクロソフトのテクノロジーセンターおよび沖電気のIP電話普及推進センタ(IPTPC)の両方に検証環境を設置し、フレームワークスやソフトブレーンといったパートナー企業とともに、在庫管理システムや物流センター管理システム、フロント業務支援システムなど、さまざまな業務アプリケーションとの連携、動作確認を進めている段階ということだ。

 なお、昨今のワーム騒ぎもあって何かと懸念されるのが、OSに存在する脆弱性だ。IPstage SS9100では組み込み用のWindows、「Windows Embedded」を採用しているというが、これとてセキュリティホールとは無縁ではない。現に、昨夏のMSBlasterが悪用した脆弱性(MS03-026)はWindows Embeddedにも存在していた。沖電気ではそのことも踏まえ、万一の際には専用サポート部隊を通じて情報提供やパッチ適用支援などを行っていく方針という。

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[高橋睦美,ITmedia]

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