ニュース
2004/03/30 18:17 更新


新技術の多くを飲み込むIFSアーキテクチャの鍵はカプセル化

米フロリダ州オーランドで開催されている「IFS World Conference 2004」では、同社のパッケージアプリケーションであるIFS Applicationsが、コンポーネントベースの柔軟さにより、ユーザー企業が変化に対応しやすいシステムとして利用できることが紹介されている

 米フロリダ州オーランドで開催されている「IFS World Conference 2004」では、同社のパッケージアプリケーションであるIFS Applicationsが、コンポーネントベースの柔軟さにより、ユーザー企業が変化に対応しやすいシステムとして利用できることが紹介されている。同製品はこれまでもこれからも、新しい技術に対し、コアとなるアプリケーション部分に影響を与えずに、変更や置き換えを行うという。

 一般的に、多くのアプリケーションが、新技術の登場によってコードが全面変更されるなどの影響を受けることで、製品としての連続性の一部が損なわれたり、新たなバグを抱えてしまうこともある。

 IFS Applicationsの技術基盤となっているFoundation 1は、1995年から2002年までを取ってみても、Java、EDI、COMベースフレームワーク、WAP、XML、WebポータルとJavaポートレット、ASPからJavaサーブレット、SOAPおよびWebサービス、マイクロソフトの.NETなど、新しい技術を前に、アプリケーションの中心に影響を与えずに対応してきたという。

 「Javaアプレットが登場したとき、今後すべてのアプリケーションがJavaアプレットで書かれると思ったことはないだろうか」(同社)

 技術は常に変化しており、何が生き残るのかを見極めるのは非常に難しい。企業としての対応は、「1つのテクノロジーに賭けてみる」「すべてを取り入れる」といった選択肢が考えられる。だが、前者には選択した技術が普及しないリスク、後者には負担コストが大きすぎるという短所がある。これに対し、IFSは、「変化に対応できるフレームワークを持ちながら、今日最も優れたものを取り入れる」というアプローチを取っているという。

 これを可能にするのがコンポーネントアーキテクチャだという。IFSは、アプリケーション設計に、UMLモデルを採用している。多くのプログラムがこのモデルから直接生成される。ユーザーの投資の多くはモデリングに費やされ、プログラムのコードはモデルから生成されるため、IFS Applicaitonsではプログラムの変更が簡単に行えるという。

 そして、生成されたプログラムは、「データストレージ」「ビジネスロジック」「ユーザーインタフェース」の3層構造のソフトウェアコンポーネントを形成する。すべてのコンポーネントはオブジェクト指向で構築されており、カプセル化されている。

 そのため、新技術にも、必要なコンポーネントに手を入れれば対応できる。別の手法では、1カ所のプログラム変更による影響範囲が曖昧だったり、実際に無数の変更作業が発生するなどの問題が発生する可能性もあり、不確定要素を抱えることも多い。

外部アプリとの統合はXMLで

 一方、IFS Applicationsは、外部システムなどとデータを連携するに当たり、IFS Connectと呼ばれるルーティング、キューイングなども行う変換ロジックを挟み、XMLベースで行われる。

 例えば、レポートやEDI、ビジネスサービス、イベントなどのさまざまな情報の流れは、IFS Connect上でXMLデータとして扱われる。そして、SOAPやIBM MQ、BizTalk Server、ファイル、メールといった各種の形式で、統合相手に対し通知したり、ドキュメント出力、Webサービスとして連携が取られる。

関連記事
▼IFS World Conference 2004 Report
▼スウェーデン発のERP「IFS Applications」、日本市場での展開を強化
▼NECとIFS、保守サービス製品の販売で協業拡大

関連リンク
▼IFSジャパン

[怒賀新也,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.