レビュー
2004/04/01 09:15 更新


レビュー:UMLの付加価値で開発効率を高めた「JBuilder X Developer/Together Edition for JBuilder X」 (1/3)

開発者がUMLを道具として使える開発アプリケーション。それを実現するTogether Edition for JBuilder Xは、Webアプリケーション開発に強いられるスピード開発のために、新たなUMLを道具として使うというアプローチを取り入れた。

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Together Edition for JBuilder Xでは、UMLが開発者の「道具」として用意された


年々広がる可能であることと実用的なことの開き

 JavaによるWebアプリケーション開発は、実のところJDK+テキストエディタでも可能だ。しかし、可能であることと、実用的には開きがあり、技術革新によってこの差は年々開いている。1人ですべてのコードを把握できる規模ならばよいが、プロジェクトを組んでチーム開発を行うためには、常に見通しがよい形態が望まれる。

 JDKとエディタによる開発は、すべてをテキストファイルとして用意しなければならず、開発効率がよいとはいえない。いわば、昔のスタイルの「コードを書いてビルド、実環境で実行、問題があればまたソースコードを直してビルドして再実行」という比較的効率の悪いスタイルとならざるを得ない。そこで昨今クローズアップされているのがJavaの統合開発環境だ。ボーランドの「JBuilder X Developer」は、ソースコードの修正から実環境でのデバッグまでを一貫して行える。また、先ごろ発売されたばかりの「Together Edition for JBuilder X」プラグインを利用すれば、UMLを使ったモデリングやデザインパターンを用いたクラスの再利用までを行える。

 ここでは、JBuilder X Developerの開発を支える基礎となる機能を始め、Together Edition for JBuilder Xで実現されたUML利用により、Webアプリケーションの開発工程がどのように変わるかを見ていくことにしよう。なお、ボーランドからは今回紹介する製品体験版が先着10000名に配布されるサービス「JBuilder X Foundation plus UML Trial CD 無償送付サービス」が実施されている。

JBuilder X DeveloperにおけるWebアプリケーションの開発支援

 開発においては、何よりもコーディングの手間をいかに軽減できるかが、開発効率を高めるカギとなる。

 特にWebアプリケーションの場合には、入出力をするJSPページの作成やそれを処理するクラスの作成、そして、Webアプリケーションに配備あるための配備記述子(web.xml)の作成など、「どのWebアプリケーションにでも同じように必要なものである汎用的なコード」が多くなる。そのため、汎用的なコードの作成をどこまで軽減できるのかがポイントだ。

 そこでJBuilder X Developerには、コードエディタ上でのコード記述の支援はもちろん、ウィザードやデザイナなどを駆使して、定型的なコードを極めて効率良く、場合によっては自動的に作成することまでできるようになっている。具体的にどのような手間軽減が可能かを見てみよう。

ウィザードによるクラスの自動生成

 JBuilder X Developerでは、オブジェクトギャラリから、作りたいクラスや設定ファイルの種類を選ぶことで、雛形からクラスや設定ファイルを自動生成することが可能だ。たとえば、Webアプリケーションを作成するのであれば、「Webモジュール(WAR)」を選択すると、自動的に配備記述子(web.xml)ができる(Fig.1)。

 JBuilder X DeveloperはStrutsを使った開発にも対応している。Strutsを使って開発する場合には、「Strutsコンバータ」や「ActionForm」「アクション」「ActionFormからJSP」などを選べばよい。

 Strutsを使う場合には、ユーザーの入力データを保持するためだけのActionFormや、流れを処理するアクションクラスなど、「決まり切ったクラス」が多いので、ウィザードによって自動生成することで、コーディング量を大幅に軽減できるはずだ。

 なお、JBuilder XにおけるStrutsを使ったWebアプリケーションの開発方法については別の記事に記述しているので、具体的な流れについては、そちらを参照してほしい。

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Fig.1■オブジェクトギャラリ。オブジェクトギャラリから選択することで必要なコードや設定ファイルの雛形ができる


デザイナによる設定ファイルの記述

 JBuilder X Developerでは、幾つかの設定ファイルをGUIで編集できる「デザイナ」機能が備わっている。Webアプリケーション開発において使うのは、次の2つのデザイナだ。

1. WebモジュールDDエディタ

 Webアプリケーションの配備記述子(web.xml)を編集するためのデザイナだ。WebモジュールDDエディタを使うことで、web.xmlファイルの複雑なXML書式を意識せず、各種サーバーの設定ができる(Fig.2)。

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Fig.2■WebモジュールDDエディタ。web.xmlファイルをGUIで設定できる


2. Strutsアクションエディタ

 Strutsの設定ファイルであるstruts-config.xmlファイルを編集するためのデザイナだ。アクションエディタを使うことで、JSPページの遷移やActionForm、アクションクラスとの関係をGUIで設定できる(Fig.3)。

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Fig.3■Strutsアクションエディタ。ページ間の遷移をGUIで設定できる。ここでは示していないが、struts-config.xmlファイルにおけるメッセージリソースの設定なども、GUIから行える


 先に説明したオブジェクトギャラリとStrutsアクションエディタを組み合わせれば、Strutsを使ったWebアプリケーションに必要となるコードや設定ファイルの自動生成が可能になる。

 そのため、開発者は、「1. ActionFormのカスタマイズをする」、「2. アクションクラスのexecuteメソッドに必要なビジネスロジックの処理を記述する」、「3. ActionFormからJSPページを自動生成する」、という手順を追うことで、もはやビジネスロジック部分だけ記述すればよくなる、といっても過言ではない。

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[大澤文孝,ITmedia]

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