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2004/04/15 19:57 更新
大企業向けERP市場シェア、上位ベンダーの優位は揺るがず
矢野経済研究所は国内ERPパッケージ市場の実態調査を行い、分析結果を発表した。今回は、大企業向け市場について取り上げる。
矢野経済研究所は国内ERPパッケージ市場の実態調査を行い、分析結果を発表した。同レポートでは、2002年から2004年までのライセンス売上高によるベンダー別シェアと、2007年までのERPパッケージライセンス売上高の市場規模が算出されている。今回は、大企業向け市場について取り上げる。
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2003年の大手企業向けERPパッケージ市場は、SAPが46.1%で首位。そして、2位のOracleがシェアを20%台に乗せた。3位は富士通GLOVIAで10.8%となっている。
また、J.D.Edwardsを買収して、大手ERPパッケージベンダーの激動の年を象徴付けたPeopleSoftが8.1%で4位、さらに、Baanを買収したSSAが6.3%で5位となった。その後を、Intentia、IFSが3%台のシェアで追う展開となっており、各社の今後の技術および経営戦略の展開に注目が集まる。
同研究所は、「外資系ベンダーの合併劇が相次ぎシェアに変動があったものの、中堅外資系ベンダーが上位を揺るがすまでには至っていない」と分析している。
トップのSAPは、NetWeaverを中核的な戦略として打ち出し、顧客企業がアプリケーションをスムーズに統合できる環境を提供しようとしている。既存のアプリケーション同士、あるいは新アプリケーションとレガシーシステム間などの統合の問題は、大企業がERPを導入する場合に最もクリティカルな問題とされている。
その意味で、SAPが打ち出すNetWeaverは他社にとっては脅威と言える。一方、SeeBeyondやWebMethodsといったEAIベンダーをうまく活用することもユーザー企業にとってはポイントになるかもしれない。
2003年のベンダー別シェア(大企業向けERP)
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