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2004/05/04 20:52 更新
SCMの将来を担うRFID ――i2 Planetで注目度高く
i2 PLANETで注目を集めたのはRFIDの行方。小売業者や製造業者が、RFIDを導入していかにロジスティクスや、在庫管理を含めたサプライチェーン全体を効率化できるかは、企業としての競争力の優劣を左右する重要な課題として認識されている
米i2テクノロジーズは4月27、28日に、年次ユーザーカンファレンス「i2 PLANET」をサンディエゴで開催した。今回注目を集めたのは、RFIDの行方。小売業者や製造業者が、RFIDを導入していかにロジスティクスや、在庫管理を含めたサプライチェーン全体を効率化できるかは、企業としての競争力の優劣を左右する重要な課題として認識されている。
RFID(Radio frequency identification:無線ICタグ)は、個々の製品や、あるいは、ロット単位でまとまったパレットごとに、RFIDと呼ばれる小型端末を貼り、IDを付与することで、流通業者や製造業者が在庫の管理などに利用しようとしている技術。例えば、倉庫の入り口を製品を乗せたトラックが通るときに、スキャナがRFIDを読み取るようにしておけば、トラックにどんな製品が幾つ乗っていたかが瞬時に分かるというわけだ。
現在、米国のWal-Martが、サプライチェーン改革の一環として、取引先とのネットワーク「RetailLink」の構築に力を入れている。一方、Wal-Martに対抗するべく、GAPやBest Buy、日本ではAEONなどが加入するWWRE(World Wide Retail Exchange)やTransoraといったマーケットプレイスも結成されている。WWREとTransoraは共に、i2が提供するMaster Data Managementなどの機能を採用しており、RFIDという「夢の技術」を巡ったWal-Martとの争いと、それによる消費者への利益の還元が期待される。
HP工場は既にRFIDを本格導入
Hewlett Packardのルシアン・レペリン氏は、「メンフィス工場ではRFIDを使ってプリンタをアイテムレベルで管理している」と話す。このほか、チェスター、サンパウロといった工場でも利用されている。「Wal-Martとのビジネスを続けたかったから、RFIDを採用する必要があった」とルシアン氏。
ただし、現状では、読み取りミスが散見するといった課題もあり、データを同期することが必要という。こうした問題が解決するまでは、「グローバル展開はまだ難しい」と話している。
RFIDに関するパネルディスカッションで話すHPのルシアン氏
マスターデータ管理の重要性
さて、RFIDを利用していく上で、i2をはじめ、アプリケーションベンダーは導入企業にどのような解決策を提供できるのか。
i2は、RFIDを企業が導入する場合に必要なステップとして、「データの準備(クレンジング含む)」「マスターデータの管理」「データの同期」「EPC(Electric Product Code)の整備」というプロセスを想定している。このうち、最初の3つであるデータ準備、マスターデータ管理、データ同期については、同社のアプリケーションで対応できるとしている。
例えば、グローバル企業ならば、セールス、購買、研究開発、配送、倉庫、財務、サポートなど、さまざまな部門で分業しており、それぞれが地理的に離れているというケースが多い。そこでは、ある1つの製品を地域ごとに異なった呼び方をしているケースも多い。それでは、サプライチェーンとして一元的な在庫管理は到底不可能になるため、グローバルなマスターデータの確立が非常に重要になってくる。
この場合、i2ならばMaster Data Managementを利用することで、異なるシステム間におけるデータモデリング、ビジネスルール、ビジネスプロセスなどの違いをシステム的に吸収できるという。こうした体制が揃ってはじめて、RFIDのメリットを享受できることになる。
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i2テクノロジーズ・ジャパン
[怒賀新也,ITmedia]
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