ファイルサーバ検索・文書管理ソフトウェア「FileBlog」を提供する鉄飛テクノロジー。前編では、FileBlogがいかにして1〜2億文書のスムーズな検索を実現したのか、そして同社の「情に厚い」サポートの裏側を聞いた。後編ではWindowsファイルサーバをそのまま文書管理システムとして活用するメリットや、既存の文書管理システムからWindowsファイルサーバとFileBlogを組み合わせた運用に移行する際のポイントを聞く。
企業の重要な情報資産である業務文書の効率的かつ安全な管理や保管は、多くの企業にとって普遍的な課題だ。前編では、鉄飛テクノロジーの主力製品「FileBlog」のファイルサーバ検索機能や同社のサポート体制について触れた。しかし、データ管理における企業の悩みは「検索のしやすさ」だけではない。既存システムの維持コストや、将来的なシステム移行のハードルに課題を感じる担当者も多いのではないだろうか。
後編では、鉄飛テクノロジーの岡田国一氏(代表取締役)と田井覚氏(セールス&サポート)に、Windowsファイルサーバをそのまま文書管理システムとして活用するメリットや既存システムから移行する際のポイント、そして顧客の負担を軽減する独自の導入支援について話を聞いた。
「業務文書の管理には、書類に複数のデータを関連付けて管理するリレーショナルデータベース(RDB)型の文書管理システムを導入する企業が多い」と岡田氏は説明する。一言にRDB型の文書管理システムといっても、その実態はさまざまだ。製品構成のツリー構造と関連付けて図面・文書・画像などを管理するPDM(製品情報管理)のような高機能な製品から、区分・担当者・有効期限などの属性値を付与して文書を一覧管理する単純な機能の製品まで、幅広いシステムが提供されている。
高機能な文書管理システムを導入しているものの、十分に使いこなせずに高額な費用の効果を得られていない企業も目立つという。一方で、単純な文書管理システムを運用する企業も多いが、そこには別のリスクが潜む。こうした製品は市場の競争が激しく、ベンダーのサポート体制の維持が難しくなることもあって、WebブラウザやOSのアップデートに伴う動作検証などの保守対応が滞りがちになるからだ。最悪の場合、ユーザーは予期せぬサービス終了や事業撤退に直面し、急なシステム移行を迫られると岡田氏は解説する。「文書管理システムの選択肢は減りつつあるため、現在利用しているシステムも、いずれ乗り換えが必要になる可能性があります」
しかし、新たなシステムに乗り換えようとしてもシステム独自の専用データベースに文書が格納されているため、データを書き出すだけでも手間と費用がかかる。データを一括でダウンロードする機能がなく、Webブラウザから1件ずつデータをダウンロードしなければならない場合もあるという。
移行先の文書管理システムの導入にも費用と工数がかかる。コスト最適化やデータ保護のために別のシステムに乗り換えたいと思っても、簡単には実行できないのが現状だ。
そこで注目したいのがFileBlogだ。オンプレミス環境向けのパッケージソフトウェアで、Windowsファイルサーバと連携させることで「全文検索機能」や「文書管理機能」「Webブラウザ閲覧・共有機能」などを利用できる。専用のデータベースではなく既存のWindowsファイルサーバを利用して、インデックスを自動で付与するため簡単に導入できる。導入にかかる工数を減らすことでコスト削減につながる他、自社の規模と用途に合った価格で使えるため、余計なコストを抑えられる点が特徴だ。
文書管理システムで管理する方法から、Windowsファイルサーバで管理する方法に切り替えるメリットの一つが、データの継続性を保てる点だ。セールス&サポート担当の田井氏は次のように強調する。
「製品専用のデータベースを利用する場合はデータにアクセスできなくなるリスクがありますが、Windowsファイルサーバに置いてあるデータにアクセスできなくなる心配は基本的にありませんよね。FileBlogを使えば、Windowsファイルサーバでデータを長期的・安定的に管理しながら高速な全文検索や文書管理を実現できます。パッケージソフトウェアをインストールするだけで使えるので、簡単に導入できます」
FileBlogへの移行の手軽さについて、岡田氏はこう説明する。
「システムを乗り換える場合、取り出した書類や属性を新たなシステムに登録する必要があります。製品によっては、ファイルを1つずつアップロードするプログラムを書く必要があり、コストと工数を跳ね上げる原因になっています。
FileBlogの場合、移行作業はファイルサーバ上にフォルダを作って、そこにファイルをコピーするだけです。ファイルサーバのデータから自動でインデックスを作成するので、ファイルをアップロードして属性を登録する場合と比べてかなりの時間と工数を圧縮できます。もちろん、旧システムで登録していた属性情報の引き継ぎもCSVファイルから一括取り込みが可能です。
旧システムからのデータ取り出しや新システムへの連携が難しい場合も、私たちがこれまでのノウハウを生かして技術的に支援します。データの取り出しからFileBlogへの登録まで弊社が一括して請け負うこともできるので、お客さまは手間をかけることなくスムーズにシステムを切り替えられます」
FileBlogを導入したユーザーの約7割が導入支援を受けている。導入支援における鉄飛テクノロジーの強みが、現場に寄り添う「アドリブサポート」だ。
旧システムから新システムにデータを移行する場合、当然ながら移行前と移行後のファイルの件数は一致していなければならない。ところが、データの中には「想定外の異常値」や「壊れたデータ」が混ざることが往々にしてある。岡田氏は、こうしたデータの問題は全て導入時に現場で解消していると話す。
「データが100万件ほどの企業の場合、エラーデータが数百件出ることがあります。そのため、データ移行の際にはエラーデータがどれだけあるのかをチェックして『これは直しましょう』『これは古いデータなので移行対象から外しましょう』など、お客さまと確認する必要があります。何カ月も前から何度も足を運んで事前検証を繰り返すこともできますが、それでは移行準備だけで数百万円もの費用がかかってしまい、中小企業の予算にはとても合いません。
私たちは移行当日に検証プログラムを実行します。お客さまに相談しながら、エラーデータを『書き換える』『捨てる』などいくつかのタイプに分類して、その場で移行プログラムを書き換えて対応します。エラーを解消した上で移行作業を終わらせるのが大事だと思っています」
システムを導入した後に、現場からさまざまな要望が出てくることもある。こうしたトラブルを避けるために鉄飛テクノロジーが重要視するのが「先読みヒアリング」だ。
「現行システムの生データを見て『この文書がいつ作られて、どういうときに更新されて、最終的にいつ不要になるのか』をライフサイクルベースで質問します。システムに登録する文書の作成目的や編集目的、その文書を使ったコミュニケーションの目的を考えながら、現場が求めるものをある程度先読みしてヒアリングしておくことで導入後に要望が増えるリスクを減らしています。
先読みしながらヒアリングをしているとはいえ、導入後の説明会などで追加の質問や要望が出てくることもあります。その場合はアドリブでプログラムコードを改修するなど、お客さまの希望に添えるようにサポートしています」(岡田氏)
導入後のトラブル対応ができるように、顧客別の検証環境を用意することもある。
「お客さまごとにカスタマイズした機能がある場合、社内の仮想サーバ上に再現環境を構築して保持しています。こうすることで、導入後の問い合わせにもスムーズに対応できます」(田井氏)
鉄飛テクノロジーはFileBlogの導入と標準機能の利用支援にとどまらず、さらなる業務効率化も後押しする。
FileBlogはFAXや複合機と簡単に連携できる。受信FAXやスキャナーの取り込み結果をPDFファイルにして保存している場合、処理の進捗(しんちょく)ステータスに応じたフォルダにファイルを移動するだけで、未処理や処理中といったステータスを可視化できる。担当者別のサブフォルダに自動で振り分ける仕組みの構築も容易だ。
基幹システムに新しい案件が登録されたタイミングで案件専用のフォルダを自動作成する機能など、FileBlogと基幹システムの連携実績も豊富だ。PDFから顧客名や金額を読み取り、ファイルの属性として自動入力するなどのカスタム開発にも対応している。
「今後はPDFの内容をAIに読み取らせて必要な項目を自動抽出するといった連携も当たり前になるでしょう。メールやFAXの受信をトリガーにして、業務プロセスを自動化する仕組みなども考えられます。FileBlogはまだまだ進化できると思います」(岡田氏)
岡田氏は、社内のデータを業務効率化や企業の発展に役立ててほしいと話す。
「日々蓄積するデータは、会社にとって大切な財産です。見積書の余白に書かれたメモも含めて、現場担当者の頭の中から紡がれたもの。その思考過程は会社の知財です。IT投資というと新しいシステムやツールの導入に目が向きがちですが、最も重要なIT投資とは『自社の活動の記録を残し、データを確実に保管し続けること』だと思います。データさえ残っていれば、その処理は後でいくらでもできます。しかし、データが失われてしまえば何もできなくなります。まずは自社の情報資産をしっかりと守って、活用できる状態を整えること。われわれはそのための支援をこれからも続けていきます」
※この記事は、鉄飛テクノロジーより提供された記事をITmedia エンタープライズ編集部で一部編集したものです。
【前編】ファイルサーバ検索ソフト「FileBlog」の鉄飛テクノロジーが、製品外のトラブルにも向き合う理由
【前編】「最新IT」の副作用を「枯れたIT」で解決 鉄飛テクノロジーが「パッケージソフト」に託した開発哲学
【後編】AIが開く知識基盤の未来 企業を守る、鉄飛テクノロジーのAIガバナンス論Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
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