身の回りのPCで手軽にグリッド環境を構築
NTTデータは、社内LANなどで手軽に分散コンピューティング環境を構築できるソフトウェア「cell computing Gene」を発表した。
NTTデータは9月29日、社内LANなどでも手軽に「SETI@home」のような分散コンピューティング環境を構築できるソフトウェア「cell computing Gene」を発表した。
分散コンピューティング、あるいはグリッドコンピューティングとは、ネットワークを介して使われていないPCの余剰能力を活用し、学術研究など複雑な処理を行わせるシステムのこと。これまでに、宇宙人探索で知られるSETI@homeをはじめ、数多くのプロジェクトが行われており、IBMをはじめとする有力ITベンダーが商用化に取り組んでいる。
NTTデータもそうした企業の1つで、2002年にはグリッドコンピューティングの大規模実験を実施。2005年2月からは、「cell computing βirth」というインターネット型分散コンピューティングコンピューティングプロジェクトを開始し、「ヒトゲノム染色体間法則性解明プロジェクト」など複数のプロジェクトを進めてきた。
cell computing Geneは、このcell computing βirthやSETI@homeのベースとなっているオープンソースの分散コンピューティングプラットフォーム「BOINC」に、いくつかのオープンソースソフトとNTTデータが独自に開発したソフトウェアを組み合わせたパッケージだ。
製品は、ジョブの分配と回収といった制御を行う「cell computing サーバ」と、実際の計算処理を行う「クライアント」から構成されている。httpでアクセスできる環境であればどこからでも利用できるため、身の回りにある数台のPCや社内LANなどで手軽に、かつ低コストで分散コンピューティング環境を実現することができる。
同梱されるSDKを利用すれば、分散コンピューティングシステム向けのアプリケーションを開発することも可能だ。こうして開発したアプリケーションはcell computing βirth上で展開することも可能という。
cell computing サーバはFedora Core 3で、cell computing クライアントはWindows 2000/XPもしくはFedora Core 3で動作し、価格は3万6750円。クライアントの台数には制限はないという。
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