トータルシステムをワンストップで提供するCTCの強み:HP StorageWorks EVAの自営保守を開始
CTCは昨年秋、「HP StorageWorks EVA」の自営保守を開始した。ミドルウェアを含むサーバからストレージまで一貫した保守が提供されることで、企業のシステム管理者にとっては、障害の切り分けが楽になるなど、多くのメリットが望めそうだ。
伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と日本ヒューレット・パッカード(HP)のパートナーシップは、1992年のコンパック時代にさかのぼる。
CTCは、当時から旧コンパック製品を取り扱う代理店として、製品の販売だけでなく保守サポートを含む一貫したサービスを提供してきた。その製品はPCサーバに始まり、コンパックとHPの統合後はハイエンドの「HP Integrity」サーバやストレージといった領域にも及んでいる。そして2006年秋からは、ミッドレンジストレージ「HP StorageWorks EVA(Enterprise Virtual Array)」の自社保守の体制を整え、サーバ、ミドルウェアだけでなくストレージを含むシステムの構築、運用、保守をワンストップで可能にした。
「CTCではコンパック製ストレージを含め以前からさまざまなベンダーのストレージを扱ってきました。HP StorageWorks EVAシリーズについては、顧客からの要望もあり、今回、保守も含め一貫したサービスを提供することにしました」
こう話すのは、CTCのITエンジニアリング室 プラットフォーム技術部長補佐の松崎雅浩氏。EVAシリーズの本格的な取り扱いを開始した理由には、顧客の要望もさることながらCTCの特長であるマルチベンダーサポートがあったと明かす。
自営保守を含めた統合的なサービス体制の強み
サーバ、スイッチ、ストレージをマルチベンダーで構成したSAN環境の場合、管理者にとって障害時の原因の切り分けが大きな負担となる。企業にとってSANに関連する多くのベンダーをコントロールし、障害を切り分けていくというのは現実的でない。しかも、ハイエンドのストレージの保守については、専門スキルをもった技術者が必要となるため、対処も難しくなる。
このようなマルチベンダー環境において一括のサービスを提供することができるのがCTCの強みだ。CTCでは、EVAシリーズについても自社で保守することを可能にし、ミドルウェアを含むサーバからストレージまでの販売、設計、構築、運用、保守までを一貫したサービスを提供できるようにした。これにより、顧客の負担を軽減できるわけだ。
プラットフォーム技術部IA技術課の岩舘誠幸氏は、顧客のニーズに対して最適なシステムを1つのベンダーが提供・サポートできるというCTCのメリットを次のように説明している。
「CTCの使命は、顧客にとって最適なシステムを提供することにあります。我々は、HPのProLiantサーバやブレードサーバのBladeSystem c-Classを選択する企業にはHPのストレージをお勧めしています。そうすることで、サーバとストレージを1つの監視ツールで監視できるようになるため、運用にかかるお客さまの負担を大幅に軽減することができるからです」
前出の松崎氏も、次のように話す。
「HPは第3世代のブレードサーバ・ベンダーとして一歩先を進んでいます。ブレードサーバもストレージもワンストップで提供できれば、マルチベンダー構成のシステムを我々も安心して、よりスムーズに顧客に提供できると思います」
現段階では、EVAシリーズを自社で保守ができるHPのパートナー企業はCTCだけ。CTCの自営保守の体制は管理者にとってはありがたい購入ルートとなるだろう。
仮想化でストレージの運用管理を容易に
CTCによると、EVAは管理の容易性、柔軟性の点で高い評価を得ているという。通常、このクラスのストレージになると、ベンダーの専門スキルをもった技術者が直接サポートするのが普通だ。しかしEVAでは、高機能のディスクアレイでありながら専門ではない技術者でもある程度の経験を積めば、容易に運用できるからだ。
この利点は、HP StorageWorks EVAが備える独自の仮想化技術によって実現されている。EVAの搭載するコントローラーは、配下のディスクを仮想化することで、物理的なディスク構成に縛られることなく設定管理を行うことが可能な上、オンライン状態で容量を拡張できるからだ。
従来のストレージではRAIDボリュームの割り当てに容量計算が必要になるなど、面倒な作業を必要としていた。StorageWorks EVAでは、管理ツール「StorageWorks Command View EVA」に必要な値を設定するだけで、仮想化機能を使った柔軟な割り当てを行える。
またこの仮想化技術は、高い容量効率とチューニング不要での高いパフォーマンスも提供する。
仮想化技術で実現するインフラストラクチャー
CTCが顧客に安心して提供できる組み合わせの1つとして提案するのが、HP BladeSystem c-ClassとEVAシリーズによる仮想化インフラだという。
岩舘氏は「VMwareに関して、最近顧客は高い関心をもっています。複数のサーバを統合しようとすると、物理的なハードウェア部分にブレードサーバを用い、その上のOSなどのソフトウェアをVMwareなどで仮想化する、というのが選択肢になってきています。当然、ストレージについても仮想化できれば、リソースのさらなる有効活用につながります。この環境を実現しようとするならHP BladeSystem c-ClassとEVAシリーズの組み合わせはベストチョイスだと思います」と話す。
企業のビジネス環境の変化は勢いを増す一方で、柔軟にリソースを増やせるなどの変化対応力は、今後ますます重要になる要素といえる。システムを導入して2年後、3年後には、扱えるデータ量を拡張したいという要望が間違いなく発生する。その際に、いかに容易に拡張できるか、そして無駄なくリソースを活用できるかは、顧客の中長期的な製品選択の評価ポイントとして、今後大きなウェイトを占めることになるはずだ。
次世代データセンターへ
さらに次世代のデータセンターを考えた場合、仮想化をうまく活用できれば、顧客ごとに個別サーバ、ストレージを用意する必要がなくなる。そうなれば、より有効なリソース活用も可能になってくるだろう。
CTCは2006年10月、業務アプリケーション開発やデータセンターによるアウトソーシングサービスに強みを持つCRCソリューションズと経営統合した。
今後の企業ニーズの拡大に対し、仮想化技術を使った次世代のデータセンターをどのように実現するか。将来的なサービスの質の向上や拡大にいかに対応していくか。新生CTCのITライフサイクルを見据えた先進かつ斬新なサービスに期待したい。
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提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年5月20日
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