データセンターの温室効果ガス排出量、情報技術業界の23%
データセンターの温室効果ガス排出量は増加傾向にあり、企業はその削減を目指してもっと努力すべきとGartnerは指摘している。
データセンターが排出する温室効果ガスの量は、情報通信技術業界全体の排出量の約4分の1を占めている――調査会社米Gartnerが10月11日、報告書をまとめた。情報通信技術業界の2007年4月における温室効果ガス排出量は、世界全体の2%を占め、航空業界と同程度だという。
Gartnerのリサーチバイスプレジデントを務めるラケシュ・クマー氏は、データセンターの温室効果ガス排出量は急速に増えており、その削減について十分な注意が払われていないと指摘する。またデータセンターのガス排出量が多い理由については、フロアスペースの不足、高密度サーバの採用が進んでいないこと、電力消費量の上昇とそれによる放熱という3点を挙げている。またこの3つの問題は、データセンターの運営コストも上昇させるという。
多くの企業は過去3年の間にサーバ、ストレージ、ネットワークなどのインフラを拡張しており、今後5年間もその傾向は続くとGartnerはみている。一方で過去7年間における新たなデータセンターの建設件数は全般的に不足しており、データセンターにおけるフロアスペースは不足傾向にある。
しかも従来型のデータセンターは、高密度サーバの収容に適した設計になっていない。また今後開発されるサーバはより多くの電力を必要とし、放熱量も多く、その結果より効率的な冷却システムを必要とする。Gartnerは、今後エネルギー管理がデータセンター運用とそのための新規ハード調達の上で大きな課題となると分析している。
Gartnerはデータセンターにおける温室効果ガス削減のため、以下の5カ条を挙げている。
- IT部門が施設管理部門と足並みをそろえる
- 現在のエネルギー消費量とコストを測定し、将来の増加モデルを作成する
- 環境保護を専門とするITエキスパートグループを設置する
- 未来の技術を評価する
- 環境に優しい調達プログラムを開発する
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